読書日記・『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』

『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』
(ソフトバンク・クリエイティブ刊、本体1500円)
元気をなくしている日本に相応しい、
素晴らしい本です。

素晴らしいのは当然で、
著者は、筑波大学名誉教授、
村上和雄先生です。

一時は「ノーベル賞候補」とも
言われた方。
遺伝子の権威であるとともに、
その遺伝子という奇跡を生み出した
目に見えない力を
「サムシング・グレート」
として世に紹介。
科学者でありながら、
科学では解き明かせない神秘にせまる
「ナイト・サイエンス」
の世界をも追求している方ですね。

で、本書のテーマですが、
「祈り」です。

祈ったからって、一体どうなるの?

でも、たとえばアメリカで
心臓病患者を調査したところ。
「誰かが治るように祈った患者さん」
と、そうでない患者さんを比べると、
圧倒的に前者のほうが、人工呼吸器や抗生物質、
透析の使用率が少ない
……というデータがあるそうです。

つまり
誰かが祈ることで、
病状が軽くなっている
……ということ?

本書で示されるように
「祈って奇跡が起こった」
という事例はたくさんある。
むろん科学的な解明などはできないでしょう。
でも、
「その可能性もある」と信じられることは、
私たちにとっては、力強い支えになります。

なぜなら私たち、
「祈るしか、どうしようもない」
という場面があるんです。

そんなときには、自分の弱さを痛感し、
何もできない己を歯がゆく思う……。

でも最後の努力として、
「祈る」ということが
私たちにはゆるされている。
結果はどうなるかわかりません。
でも、
最後のあがきに、
それだけの価値があるとすれば、
少しだけ自分にも
優しくなれるのかな……と思います。

なお本書の著者印税は、
全額が東日本の義援金に
寄付されるとのこと。

オビを見ての通り、
あのダライ・ラマ14世が推薦している本です。
そりゃあ問答無用、読むしかないでしょう(笑)
ぜひ書店さんで手に取ってみてください。

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