致知出版社の
「いつか読んでみたかった 日本の名著シリーズ」
の第9弾。
1400年に能の大成者である
世阿弥によって書かれた名著。
『風姿花伝』ですね。
現代語訳は私、夏川賀央。
『武士道』『茶の本』に続き、 3冊目の現代語訳。
自身の本としても、 お陰さまで30冊目になりました。
3冊目の現代語訳といっても、
以前の2冊は英語からの翻訳。
純粋に
「古い日本語を今風の日本語にする」
というのは始めてでしたが、
これが意外と難しいんです。
ただ今回は通常の人にはとっつきにくい
「能」という芸能の世界。
私も深い知識を持っていませんから、
「私が読んでスラスラわかる内容にする」
ということで、
案外と上手くいったんじゃないかな ……と思います。
なんせ「91分で読める」ですからね(笑)
すでに本書が「勉強論」であり、
「ビジネス論」であり、
「人生論」である……ということは
過去のブログでも紹介しました。
なので今回は具体的な内容をここで公開。
・第1……年来稽古条々 7歳から50を超えるまで、
「年齢に応じてどのように学びを行なうか」 という話。
現代にも通ずるコーチングや、 自身の身の振り方が学べます。
・第2……物学条々
「いかに真似るか」という能の本質。
真似る=学ぶ。能の世界がよくわかります。
・第3……問答条々 Q&A方式の、能で成功する方法。
「魅せるためにどうするか?」
「売るためにどうするか?」という話は、
現代のビジネスにもそのまま使えます。
・第4……神儀に云わく 能の歴史を紹介。
ここで師匠から学者になるところが、 世阿弥のスゴさです。
・第5……奥義に賛嘆して云わく
「能で成功するための方法」ですが、
理念を持つことの大切さを 世阿弥は熱く語っています。
・第6……花修に云わく 創作者として世阿弥の方法論。
作家の私には非常に勉強なる部分。
「人を感動させるメリハリのつけ方」など、
いろんな分野で活用できる技術。
・第7……別紙口伝 「秘すれば花」の代表されるような、
お客さんを味方につけ、
ライバルに勝つための心理戦術が語られます。
その他、本書の全体には
「自身の最も輝く部分=花」を、
どのように効果的に見せて
他人の心を動かすかというノウハウに溢れています。
だからこそ、能の入門を超えて、
プレゼンや営業など、
様々なジャンルで使える内容に溢れている本に
なっているんですね。
ぜひぜひ今回の機会、
この名著を味わっていただけたらな ……と思います!