好評発売、夏川訳『スマイルズの自助論』です!
- 2016/12/28
- 読書日記
- サミュエル・スマイルズ, 夏川賀央, 自助論
夏川の翻訳古典の新刊です。
『今度こそ読み通せる名著
スマイルズの「自助論」』
1512円で好評発売中です!
321ページという大著。
それでも残念ながら「全訳」ではありません。
日本人にわかりにくい部分は省略し、
読みやすく翻訳するとともに、
原書の構成はほぼ踏襲。
スマイルズさんの伝えたかったエッセンスを、
今風の言い方で馴染みやすい本にするよう
気を遣って日本語にしました。
有名な出だしは、こんな形になります。
「天は自らの努力で救われようとする者を、必ず助けてくれる」
よく知られたこのイギリスの格言は、
おそらく何十万、何百万もの人間が実際に経験し、
感じてきたことから導き出された教訓なのでしょう。
自らの努力で、自らを救う……。
それこそが、本書でこれから述べていく
「自助」なのです。
全体の構成は、このようになります。
第1章 「自助」とは何か?
第2章 産業界のリーダーたちの栄光
第3章 「最高の陶器」に生涯をかけた人たち
第4章 努力と忍耐によって偉業を達成した人たち
第5章 真実を見抜いてチャンスをつかんだ人たち
第6章 才能を努力によって磨く芸術家たち
第7章 彼らはいかにして、その地位を手に入れたのか?
第8章 「やる気」と「勇気」を奮い立たせる法
第9章 仕事を成功に導くためにやるべきこと
第10章 金に振り回されるな、金を支配せよ
第11章 自分を鍛え続ける人たち
第12章 最高の「模範」を見つけるには
第13章 品格ある人間になるために私たちがやるべきこと
意外に感じられるのは、
「発明家」をとりあげた2章のあとに、
「陶芸家」を紹介していることかもしれません。
どうしてかといえば、
この産業が世界の経済を1段階引き上げた
「産業革命」の担い手の1つになったからです。
本書は簡単に言ってしまえば、
「努力によって成功した人の事例集」。
その点で本書は「実用書」であり
「啓発書」なのですが、
じつは理想はもっと高いところにある。
つまり「努力を学ぶこと」で、
「世の中はもっと素晴らしいものになる」と、
スマイルズさんは本気で確信していたわけです。
それは第1章に象徴されます。
「土を耕す人、鉱山を採掘する人、
発明する人に発見する人、
製造者に機械工に、技術者、詩人、
哲学者、政治家などなど……。
さまざまな階層の働き手による忍耐強い努力が、
1つの世代から次の世代へ向けて積み重なり、
より高いステージへと国を発展させてきました」
「そして現在を生きる私たちは、
この先人たちがつくりあげた貴重な財産を、
ごく当然のように引き継いでいます」
「この財産は私たちの手によって再び開拓され、
加工され、単に修繕をするだけでなく、
よりよいものに改良されて
次の世代へ継承されなければならないのです」
さあ、この本をどう読むか?
まさに世界史が生んだ
必読の本と思う本だからこそ、
わかりやすく訳した本書は、
ぜひ手に取って考えていただきたいな
……と、訳者の私は、
皆さんに問いかけたいですね。