夏川の振り返り5〜『成功者に学ぶ心をつかむ言葉術』
- 2021/3/10
- 夏川の書いてきた本
過去の夏川の本の振り返りですが、
2006年に文庫書き下ろしで発売されているのが、こちらの本。
『成功者に学ぶ心をつかむ言葉術』
仕事で結果を出している人々の
「言葉の使い方」についてまとめたものですね。
たとえばこんな言葉です。
「元気を出そう。結局、最後は僕たちが笑うことになるよ。
そのときの笑いこそ最高の笑いだよ」
かつて会社の危機を救ったウォルト・ディズニー社長。
☆
著名なリーダーであれば、いい言葉をいろんな場面で言っている。
でも、結果を出す言葉というのは、内容そのものよりも
どれくらい相手を思って、
その言葉を言っているかが大きいようです。
☆
たとえばかつてドイツのメルケル首相が、
コロナ禍で外出する国民を叱ったメッセージが話題になりました。
その言葉は非常に情熱的で格好よかったのですが、
国民が皆、従ったかといえば、
結局は外出自粛につながらなかった。
じつはそんなふうに言うより、
「みんなよく頑張っているね。
お陰さまで、ずいぶん感染者も減りました。
あとちょっとだから、みんなもう少しがんばろうね!」
……なんていう言い方をしたほうが、
皆はメッセージに従ったかもしれない。
最近の東京の感染者の減少を見ると、
そんな印象を強く持ちますね。
日本はさすが地震には慣れているんだな……と思うのは。
☆
さきほど大きな地震がありましたが、
すぐに「波の変動はあると思いますが
津波の心配はありません」と、
皆の不安に配慮したメッセージが出ていました。
一方で新型コロナウィルスに対し、
「今日の感染者は1000人と多くなりました。
ただ幸いにも。八割の方は軽症で命の心配はないようです」
とか
「◯◯件で変異種の感染者が発見されました。
ただ、大きな被害が出ているわけではないので
心配し過ぎる必要はありません」など。
聞いている人の不安に配慮するような
メッセージの伝え方をしているのを
私はほとんど聞いたことがありません。
言葉で人を動かすには、
やはり聞く側の気持ちを考えることが一番重要なんです。
言葉で仕事をする人間は、忘れてはいけないですね。