幻の柏餅
……なんていうと大げさに感じてしまうのですが、
皆さんは「ピンクの柏餅」を知っているでしょうか?
東京で育った私は、
子供の日に食べる「柏餅」といえば、
白いのとピンクのものがあるのを
当たり前のように思っていました。
ピンクの柏餅に何が入っているかと言えば、
「あんこ」ではありません。
「みそ餡」です。
白みそをブレンドした、甘い白あんですね。
じつは調べると、
これが常識になっている地域のほうが
少ないらしい。
そして近年は「みその柏餅」が
東京でも少なくなっていて、
近所のスーパーでピンクの柏餅を買ったら、
中に入っていたのが普通のあんこで
ビックリしてしまいました。
なんだか少々のフラストレーションがあったので、
6日になって別のお店に行ったら、
こっちにはちゃんと「みその柏餅」があったので、
思わず買ってしまう。
素朴な感動がありました(笑)
☆
でも、「みその柏餅」は、一体何なのだろう?
そもそも柏餅というのは、
18世紀のころの江戸で生まれたようです。
そのころは
「お餅を柏の葉に包む」というだけで、
あんことかは入っていたのだろうか?
柏の葉が「落葉しにくい」ということから、
家の繁栄を願って食べられました。
ただその「柏」という植物が、
昔は関東以外にあまりなかったそうで、
全国に普及したのは近代になってからなんですね。
全国に広がる過程で「みそ味」も生まれたようですが、
調べると「京都で生まれた」という説もあれば、
「名古屋で生まれた」という話もあります。
だからハッキリしたことはわかりません。
ただ、京都以外の西日本では
ほとんど「みそ味」は食べられていないようです。
☆
つまり、かなり珍しいものになりつつある
「みその柏餅」。
需要が少し減っているからか、東京でも少なくなりつつあるかも。
来年もまた見つかるといいですけどね。
[公私混同の時間]