「人間だけができること」って何だろう?
- 2021/5/16
- できる人研究所
- words of wisdom, 君はこの言葉を知っているか?
「霊長類のなかで人間は、
唯一、『家族』という手段を作った」
こちら霊長類学者であり、
数多くの書籍を残している
河合雅雄さんの言葉。
14日、97歳にして
老衰でお亡くなりになったそうです。
お悔やみ申し上げます。
☆
河合先生は、京都大学教授にして
「日本モンキーセンター」の創設に尽力し、
日本の「サル学」を牽引した人物の1人です。
何より人間がつくっている「文化」と
ほぼ同等なものを
ニホンザルなどが作り上げていることを発見し、
世界中に衝撃を与えました。
「私たちはサルの時代から、
どれだけ進歩したんだろう?」と
大きな疑問を投げかけた方なんですね。
☆
すでに古典と化していますが、
画像は懐かしい、立花隆さんの
『サル学の現在』。
河合雅雄さんをはじめとする
「サル学」の研究者たちの
インタビューから生まれた本ですが、
私もかつて衝撃を受けたことがあります。
愛憎による殺人事件とか、
政治的な理由で起こる戦争とか。
それらは人間が文明社会を築き、
自然とかけ離れた存在になったから
起こるものと思っていました。
ところがサルの世界で、
そんなことは日常茶飯事でもあるわけです。
人間の欲望は、
どこまでいってもサルの頃の姿から
そう変わっていないのかもしれない。
☆
変わっている部分があるとすれば、
むしろ「豊かさ」や「心の満足」を
追求できる部分ではないか。
たとえばゴリラなどの「ハーレム社会」や、
チンパンジーのボノボに見られる
「乱婚社会」は、
強い遺伝子を残したり、子育てを容易にするための、
ある種、効率的な社会体制でもあるわけです。
ところが人間は、弱くても家族単位で生き、
他の家族を尊重し合う
「個」を認める社会を作りました。
人間を人間たらしめるものは、
「他者を尊重できること」にあるわけですね。
興味ある方は
ぜひ本など読んでいただきたいのですが、
優れた頭脳が世を去ってしまうなかで
「まだまだ私たちには
知らなければいけないことがあるなぁ」
と感じます。
[Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?]