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「たとえですね、明日死ぬとしても、

やり直しちゃいけないって誰が決めたんですか?

誰が決めたんですか?

まだまだこれからです」

 

刑事ドラマ『古畑任三郎』より。

自分自身を殺す、壮大な自殺計画を試みた犯人に

古畑任三郎が言い放つ言葉です。

そういえば記憶にあります。

ドラマで演じた主人公たちを思い描くと、

私たちはついつい、

その人たちが永久に存在するものと勘違いしてしまう。

それだけに大きなショックでした。

まさかの、俳優、田村正和さんの死去。

 

その昔は、みんなそのモノマネをしたものですが、

最近はずっと姿を見ていなかった。

闘病生活をしていたんですね。

 

弱い自分を見せてしまうと、

ドラマで演じてきた人物たちの印象を損ねてしまう。

そんな気持ちからでしょう。極力人前に出ることを避け、

ひっそりと最期のときに備えていました。

それも田村さんにとっては、あるべき形だったのでしょう。

実際、田村正和さんは、

自分が演じる役のイメージを守るため、

素の自分を徹底的に見せないよう

努力していたそうです。

 

人前で食事をせず、

俳優同士で馴れ合うことはしない。

仕事もドラマ以外はほとんどやらず、

ただひたすら。

演じる役柄になりきることに没頭しました。

 

それだけ「演じる仕事」をする自分自身に厳しくあった。

誇りをもって仕事をしていたのでしょうね。

 

なんでも数少ない田村さんの趣味には、

「時代小説を読む」というものがあったそうです。

サムライの役も多くありましたが、

自身の仕事にも「武士道」を見出していたのだと思います。

そういう数少ない武士道の体現者が

世を去ってしまうのは、本当に寂しいこと。

私たちはその仕事へのリスペクトを決して忘れず、

演じていた英雄たちの姿を

永久に保存していきたいですね。

 

[Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?]

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