ほんの一握りの「あきらめない人」が世界を救う
- 2021/6/5
- できる人研究所
- words of wisdom, 君はこの言葉を知っているか?
「期待どおりに物事が進まないとき、
周りの批判を気にしていてはいけません。
何があっても、自分ができることに集中しましょう」
こちらハンガリー出身の女性医学者、
カタリン・カリコ博士の言葉。
この方の名を初めて聞く……という方は、
ぜひ覚えておくといいかも。
なんせ今、全世界を救おうとしている方です。
そう、これから皆が接種する
新型コロナワクチンの土台となる
「mRNAワクチン」の技術を開発した方。
その功績を考え、ノーベル賞に押す声も
高くなっている科学者ですね。
じつは、ずっと苦労してきた方のようです。
先日、NHKの番組で
この方の人生が取り上げられていました。
なんせ社会主義体制化のハンガリーにあって、
地方の肉屋さんの生まれ。
バイオテクノロジーに興味をもち、
科学者の道を志しますが、まったく国はその研究を認めません。
そこで夫と娘と3人、娘のぬいぐるみの中に
全財産を隠して、アメリカに渡ることにしたんですね。
☆
けれどもアメリカでも
研究成果はなかなか認められませんでした。
助成金は出ず、大学でも希望のポストは得られません。
確かにその技術はすごいかもしれない。
でも、未知のウィルスが世界を襲うなんていう状況は
誰も想定しないわけです。
「そんなワクチンの技術なんて、いま必要ないでしょう」と。
アメリカで彼女の研究を受け入れようとするところは、
なかなか見つかりませんでした。
けれどもやっと、
その研究成果を評価する会社が現われた。
それがアメリカではなく、
ドイツのビオンテックという会社で2013年のこと。
そしてコロナウィルスのパンデミックが起こり、
このビオンテックがアメリカのファイザーと協力することで、
初のワクチンが誕生したわけです。
彼女が長く諦めなかったお陰で、
私たちはやっと、この苦しい状況から
抜け出せそうな段階にたどりついているんですね。
☆
もっともカリコ博士、
「本当のヒーローは、現場で患者さんと向かい合っている
医療従事者なんだ」と説き続けています。
「たくさんの人たちのお陰で、
私たちも生かされている」ということは、
やはり皆が自覚しないといけませんね。
[Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?]