本日の発売日に、
コンビニで手に入れることができました。
こちら、漫画の『進撃の巨人』(諌山創、講談社)。
単行本の34巻。最終巻ですね。
2009年からの連載で12年です。
一時はブームになり、映画化もされ、
アニメはNHKの放送になりました。
単行本の累計売上部数は
全世界で億を超えているとのこと。
それだけ長い漫画にはめずらしく、
引き延ばすことなくストーリーを構想通りに網羅し、
キレイに話をまとめて完結しました。
しみじみですね……。
☆
この漫画、そもそも読み始めたのは、
尊敬する編集者さんに
「これ面白いから読んでみて」と
言われたのがきっかけでした。
巨人って、野球漫画かよ……と最初は思ったのですが、
試しに読んでみれば、
お世辞にも絵が上手いとは言えないし、
人物も誰が誰だかわかりにくい。
おどろおどろしい内容ですが、
先が気になって読んでいくうちに、
いつのまにか10年以上が経っていたんですね。
☆
この物語、
当初に描かれた「人を襲う巨人と戦う」という物語が、
途中で一転します。
ホラーは戦記物になり、敵と味方が入れ替わり、
馴染みのキャラが容赦なく途中退場し、
誰に肩入れしていいかもわからなくなる展開。
賛否両論はあるでしょう。
ただ、すごいのはやはり
1巻の最初に投げかけた謎を
12年後の最終巻になって回収するくらい
ゴールを念頭に置いて思い描いていた物語を貫き通した姿勢です。
最後にいたる伏線が、
途中にも多く散りばめられていました。
連載漫画なんて、
いつ打ち切られるかわからない。
人気にうまく便乗、あやかりたくもなる。
それでも読者から批判を浴びそうな展開を
曲げることなく押し通し、
長い長い戦いの果ての壮大なエンドを
皆でつくっていった。
漫画家の諌山先生や、講談社の姿勢には本当に敬服します。
全体を通せば、この漫画には
現実の世界が背負ってきた争いの構造が
凝縮されていました。
それでも主人公は
自分にとって最も大切な人々を守る選択を押し通し、
それを実現させる。
多くの犠牲を払いながらも、敵と味方の境界や、
運命的な世界のルールさえ変えてしまいます。
絶望的な終わり方でなく、
ホッとさせる終わり方をしたことが何よりでしたね。
[常識転換の読書術]