「君子は義に喩り、小人は利に喩る」
こちら『論語』にある孔子の言葉。
「成功する人は、大義のために行動し、
そうでない人は、己の利益のために行動する」
ということ。
「つまり、みんなが幸せになるために
力を尽くそうじゃないか」と。
27日に終了したNHK大河ドラマ
『青天を衝け』で
渋沢栄一が最後に伝えたメッセージですね。
渋沢さんは人生の中で、
「論語」の普及にも努めていましたが、
ちゃんと孔子さんも同じことを言っているわけです。
こちらの本は、私が2018年に書いた
『君はこの言葉を知っているか?』
という本から。
有名な経営者たちが人生において
影響を受けた言葉を紹介した本ですね。
渋沢さんは、この「論語」を
人生の指針にしていたわけですが、
優れた古典はこんなふうに
時代を超えて多くの成功者たちに
パワーを与えてきたわけです。
私たちもそういう力は継承したいですね。
ちょうど先の本では、
大河ドラマの最終回で描かれた
渋沢栄一の最後の仕事についても書いていました。
「彼が89歳のときです。ときは大戦前の、世界大恐慌のころ。
政府は戦争に向かってまっしぐらですが、世にはたくさんの失業者や貧困者が生まれ、大変な混乱が起こっていました。
そんななかで、大実業家・渋沢栄一に、救済活動の陣頭に立って政府と交渉してほしい」という依頼があったのです。
医者の反対を押し切り、彼はこの仕事を引き受けました」
「この老いぼれが平素養生しているのは、せめてこういうときの役に立ちたいからだ」
「もし、私が死んだとしても、20万人もの不幸な人たちが救われるなら、本望というものだ」
いよいよ来年からは、
アフターコロナの時代が本格的に始まるんじゃないかな
……と思います。
みんなこの数年で疲れたし、不安だし、
つながりが薄れていく世界に迷ってもいます。
そんな中で成功する人は、
やはり「みんなのため」ができる人ではないか?
全体を通じて、少々、
美化しすぎの印象はあったドラマですが、
渋沢さんの人生から学んだことは
生かしていきたいですね。
なお、私ではなく奥野宣之さんの現代語訳ですが、
致知出版社のシリーズから
「論議と算盤」(上下)が発売されています!