すでにアマゾンで告知されました。
予約もできるようですね。
私の現代語訳書が、4月にウェッジさんから発売されます。
『貞観政要』という本ですね。
https://www.amazon.co.jp/dp/4863102488/
この本に「ああ、あれか!」と理解する方は
そう多くないでしょう。
紀元7世紀の中国で「唐」という国の礎を築いた、
「李世民=太宗」という皇帝の言行をまとめた本ですね。
本書は確かに、今の大河ドラマの主人公である
北条義時や徳川家康、
あるいはモンゴル人のフビライ・ハンが
教科書にした本として知られています。
でも、そんなにこの皇帝、すごいのか?
確かに「唐」といえば、
日本も奈良時代にお手本とした大国。
中国の王朝で最も栄えた国の1つです。
でも、この皇帝のすごいところは、
そういうところではありません。
兄弟同士での争いを征して皇帝になった彼は、
己の弱さや未熟さをつくづく理解し、
そのぶん、敵側に立った武将まで含めた部下や
国民の全てに対して頭を下げ、
「どうか皆さん、皇帝の私を助けてください」という形で
国家をつくり上げたのです。
それが「長い中国の歴史で最も平和」という
1時代を築きあげました。
「私はこの弓をもって、四方の大勢の敵を打ち破ってきた。
それなのに、まだ弓のことをまったく理解していない。
ましてこの国を治める力に関してみれば、
まだ皇帝になったばかりなのだ。
弓でさえこんな調子なのだから、
まだまだ学ぶべきことが多いようだな」
そんな皇帝でした、
これ、今のウクライナを見れば、
よくわかるかもしれません。
ウクライナのゼレンスキー大統領、
元コメディアンであり、政治的な能力は正直、
疑われていました。
でも、己の未熟さを素直に認め、
戦火の首都キエフに残りながら、
毎日のように国民に
「私を助けてください、一緒にこの国を守り、
生き抜きましょう」と語りかけています。
そこでウクライナの国民たちは、
標識をなくしてしまったり、
ロシア軍へいちいちイチャモンつけたりと、
民衆らしい方法で侵攻を遅らせているわけです。
一方で、長く権力者の地位にあり、
情報戦の勝利者を自称してきたプーチン大統領は、
いまや国の内側に火がついたような
切羽詰まった状態に追い込まれています。
この「貞観政要」を読めよ!……と
思ってしまいますよね。
リーダーの最も基本的なことでありながら、
本家の中国はもとより、
なかなか「偉いリーダー」の下で
生かされて来なかった本書の教え。
でも、上下の関係がフラットになりつつある現代には、
最も強力なリーダーシップ本となりそうです。
まあ、私の現代語訳ですから、
従来の常識を超えるくらい、読みやすくなると思います。
発売は4月後半、まだ先になりますが
ぜひ楽しみにしてください。