【歴史入門】北条政子の考え方

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

じつはいままでさほど「面白い!」とは
思っていなかったけれど、
貞観政要』を翻訳した手前で観ていた
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ですが、
このところ急にドラマ展開が面白くなっています。

それは頼朝が死に、
時代の主人公がこの方になっていくドラマになってから。
北条政子さんですね。

鎌倉2代目将軍以降、執権義時が誕生し、
また政子さんが「尼将軍」と呼ばれるようになるまでの
話になるのでしょうが、少し地味な時代。

こんなふうに歴史は動くんだな……というのは、
親と子、一緒に育った兄弟に、
古くから一緒に戦ってきた同士・友人……。
そんな「いままでの仲間」が次々と
敵対する相手になっていきます。

いままで力がなかった者たちが、
権力を持つとこんなふうに変わるんだなと。
この流れは史実を見る限り、
これからも壮絶に続いていきそうです。

しかし通常、武士の時代の女性というのは、
のちの時代を見れば、我が子の出世を
第一の幸福したようなところがあります。

その意味では政子さん、
頼朝の正妻として可愛い息子を2代目将軍にするので、
もう念願叶っています。
なのに、その息子の不正を止めるために命を張ったり、
それでもダメな息子を
失脚に追い込むようなことまで企むわけです。

そのために暗躍させたのが弟の義時だったわけですが、
そんなふうに愛する家族より世の大義を選ぶ選択を
どうして1人の女性ができたんだろう。

『貞観政要』がそのバイブルになった
……というのは結果ですが、
ずっと身分の高い頼朝の妻として
わがままを聞いてきた彼女。

それだけに不公平がまかり通る世の中になるのを
許さなかったのでしょうね。
だから自分の息子だろうが、
権力者が自己本位に振る舞うことを
絶対に「よし」としなかった。

弟の義時もその他の御家人も、
また後には朝廷ですら、彼女には逆らえない。
というのも政子さんが言うのは
「誰がどうみても正論だから」なんですね。

結局、悪いことは悪い、正しいことは正しいと。
それをどこまでも貫くのが武士のルールとなります。

おそらくはこの方がいなかったら、
「幕府」というものが存在したかもわからない。
後の武士の時代は、
違ったものになっていたかもしれません、

男性が主役の「武士の国・日本」ですが、
そのグランドデザインには、
じつは1人の女性が大きくかかわったことを、
ドラマを通して私たちは知るべきなんでしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る