8月27日は、日本史で『御成敗式目』が
制定された日なんだそうです。
以前にも紹介しました。
鎌倉時代において、初めて制定された
「武士はこうあるべきもの」という大原則を定めた法。
たとえばこんな感じ。
「人に暴力をふるうことは恨みを買うことであり、
その罪は重い。
御家人が相手に暴力をふるった場合は領地を没収する」
当たり前のことではあるのですが、
武士というのは力でその地を治めることで
支配者になった人々です。
それに「暴力をふるうな」ということで、
「武士=正義を実行し、民衆を守る者」という原則が
この法で定義されました。
まあ、どれくらい守られたかは別にして、
こうした理想が、
やがて「武士道」になっていくわけですね。
この法律を制定したのは、
今、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出ています。
北条泰時、主人公である北条義時の息子ですね。
坂口健太郎さんが演じています。
事実かどうかはわかりませんが、
後継争いを防ぐため、
父が「殺せ」と命じた二代目将軍の長男を
こっそり生かしたりしていた。
お家存続のために悪事をものともしない父に対し、
あくまで正義の理想を貫こうとした人物です。
その人物がつくったのが「御成敗式目」であり、
ある種の理想論でもあった。
ただ、武士が世の中を収めていくに当たっては、
「上に立つ物の理想」をしっかり定め、
民衆の模範なることが必要と考えたわけです。
結果、武士の世の中が以後、
600年以上続いていく……とすれば
ここで「武士の理想」を掲げた意味は大きかったのでしょう。
そんな法に影響を与えたのが、
泰時の愛読書、『貞観政要』でした。
つまりここで、私が現代語訳した
『武士道』とこの本がつながるわけですね。
まさに『貞観政要』は、理想の皇帝像を
太宗の姿を通じて確立したもの。
民衆のことをいつも思い、
公平で謙虚で勤勉である姿は、
武士のリーダーのあるべき姿となります。
そんな『貞観政要』が説くのは、
リーダーは、次の原則を守って法を出すということ。
①誰にもわかりやすいこと
②よく内容を吟味すること
③内容に責任を持つこと
「御成敗式目」もまさにこの原則で作られた。
だから51条の内容はどれもシンプルで、
至極もっともなことが述べられている。
だからこそ厳しい法にもなっていたんですね。
今のリーダーもその姿勢は貫くべきでしょう!