先日、ついに見本が届きました。
夏川39冊目の見本……ですが、
いままでの本とは、かなり質が違う気がします。
『超約版・戦争論』ですね。
(クラウゼヴィッツ原作、ウェッジ)
帯に「超大国の横暴に立ち向かう叡智」です。
そんな政治的なキャッチが、
いままでの私の本にあっただろうか。
ただ、あらためて「凄さ」を感じてしまうのは。
オリジナルの『戦争論』。
岩波文庫では、500ページくらいの本で
上・中・下の3分冊です。
それが今回は、普通の本より小さい全書判半径で
190ページ。
もう、かなり頑張って、
エッセンスを伝えようと
クラウゼヴィッツさんに謝りながら
思い切った圧縮を行なったわけです。
その構成はこんな感じです。
1 戦争とは何か?
2 「戦術」と「戦略」
3 「防御」と「攻撃」
4 勝利に必要な戦闘力
5 部下を率いる資質
6 歴史に学ぶ勝利の本質
オリジナルとは、かなり違うのですが、
それでも本書の伝えたい大事なことは、
日本人にも伝わるのではないか。
まあ、内容についてはおいおい、
説明していきましょう。
案外とこの本が書かれた当時のプロイセンは、
大国、ハプスブルク帝国の傘の下で
突如、台頭してきたナポレオン下のフランスと向き合う
……という、
今の日本が置かれそうな状況にありました。
弱い国が強い国に攻められる危機にあって、
本書はまとめられているんですね。
だから精神論なんかでなく、
「勝ち抜くための科学」に近い
非常に分析的な本になっています。
だから、まあオリジナルはかなり
回りくどかったりする。
なんせ私も数々の古典を現代語訳しましたが、
基本は「自己啓発」や「ビジネス」の延長として
編集しました。
今回の本にもそういう要素はあるのですが、
あえて解説には、実際の戦争の事例ばかりを
紹介しています。
だから結構、重いのですが、
そのほうが本書の趣旨に近づけるのでは、
という編集方針。
それだけに、何十年も本の世界にいて、
今回は「初めての挑戦」という印象が
かなり強い本になりました。
ここまでオリジナルを短くし、
夏川流で編集した古典もなかったでしょうし、
それだけにどう受け取られるか。
テーマもそうですしね。
決してそうではないのですが、
読む人によっては
「戦争したいのか、お前は!」なんて
ネガティブに捉えるかもしれない。
だから少しドキドキする本です。
発売は20日。
まだ1週間以上先になりますが、
ぜひ楽しみにしてください!