群れて生きるか? 自由を好むか?
- 2022/11/5
- できる人研究所
先日、港区の古川を見れば、
普段バラバラにいるカルガモたちが
なぜか1箇所に集まっていました。
数えると全部で16匹。
晴れた日ですから、
なんか会合でもあったのだろうか?
この子たちの考えていることは、
どうもよくわからない……。
じつはカルガモという鳥、
そもそもは渡るのをやめて、
定着した鴨のはずなのですが、
それでも定着しながら集合と離散を繰り返す
どうも不思議な生態を持っています。
家族で一緒にいるイメージのあるカルガモですが、
実際は家族で過ごすのも一時期だけ。
雛が大人になったら、
すぐに家族は解散してしまう。
さらに言うと、夫婦関係というのも、
カルガモの世界では、
メスが出産したら自動的に離婚。
オスはメスに子育てを任せて出ていき、
オス同士で群れるのが通常らしい。
この群れもひょっとしたらそうなのかも。
ただ、外見からはオスかメスか
どっちかわかりにくいようです。
ドライで自由でありながら、
結局、孤立していると不安で仕方ない。
だからついつい、
近くに仲間らしき存在がいれば、
つるんでしまう。
そんな彼らの習性は、
なんとなく人間社会を彷彿とさせますよね。
私たちが自由を希望しながら、
一方でコミュニティを求め続けるのも
実は自然の摂理なのかもしれません。
こうしたカルガモの中に、
たまに渡ってきた鴨が混じっていることも
よくあるそうです。
それで交配することはないそうですが、
純粋に「安心感」のためなんですね。
人間以上に彼らの社会は、
マイノリティに対しては寛大なのかも。
しかし群れに属する以上、
そこには厳しいルールもあり、
雛や子供は個体数調整のために
殺されてしまうこともあるとか。
それでも「群れで生きたい」とする心理は、
人間に置き換えて考えてみると
私たちの社会で起こるさまざまな問題に通じるのかも。
カルガモ社会は案外と、
人間社会を写す鏡にもなっていそうです。