『マキャベリの「君主論」』4刷の見本が届きました!

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「4刷の見本が届きました!」なんていう
報告ができることが、
本当に嬉しいことですよね。

この本が売れない時代、
地味に地味に売れて、3回目の重版。
「多くの人のもとに届いてとても嬉しい」
というエージェント担当者の言葉通り。
本当にありがたいことですね。

まあ、「マキャベリズム」という
言葉を生み出した「必要悪」の指南書。
そのあまりにも歯にもの着せぬ
性悪説に則ったリーダー論は、
他のハウツーにはない
「最悪に備えた一手」を教えてくれる。

だから永遠に並ぶもののない
名著となっているのでしょうが、
そんな状況を生み出した背景には
マキャベリが生まれた当時のイタリアの
混乱状況がありました。

小国が乱立して、対立する国内にあって、
四方はいつ滅ぼしにくるかわからない
強国に囲まれている。

その強国の中にあって、唯一、
東洋の国として数えられていたのが
「トルコ帝国」でした。

「オスマントルコ」と呼ばれたトルコ帝国は
マキャベリが生まれる十数年前、
東に残っていたローマ帝国を滅ぼし、
西アジアから東欧のバルカン半島までに広がる
巨大な国になっていました。

その強大なトルコの軍勢に勝つ方法を、
マキャベリはこんなふうに分析していました。

「トルコを攻撃する者は、
この国が一致団結して戦うことを
覚悟しなければなりません。
他人の力を当てにすることになく、
自身の兵力を頼みにする必要があります」

しかし、圧倒的な強さで勝利すれば、
トルコの民衆は味方にすることができる。
強い者をリスペクトして従っていく文化を
トルコの人々は持っている……と考えたんですね。
まあ、「それは難しいけど」という
条件付きでしたが。

そんな団結心と
「弱いものを守ろうとする誇り」は、
今のトルコの地震に対する救援活動に
強く感じますよね。

皆で救援をしようという意識も強いし、
「誰かがきっと助けてくれる」という
安心感も強いのでしょうか、
生存72時間という限界を超えて
100何時間が過ぎたあと、
続々と生存者が救い出されています。
中には子供たちも多くいましたが、
人間の強さを本当に感じさせます。

一方で必要悪をうたいながら、
「偽善でも弱きものを救うこと」の重要性を
多く説いているマキャベリの論。

困った時に人を助ける人間は、
自分が困った時に助けられます。
だから弱い者ほど、周りの人間を助ける戦略に価値が出てくる。
世界が協力しているときは、
率先してそれに乗っかることが大切なんですね。

「守ること」は必ずしも「戦うこと」ではない。
世界はそれをマキャベリから
学ばなければいけません。

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