「どんな決意をもって始めた行動も
いずれは止まってしまうのだ。
だからみんな!決して怠けちゃいけないよ」
こんな言葉。
こちらはお釈迦さまの最期の言葉と
されているものですね。
悟りを開いた大賢者の最期の言葉としては
ちょっと意外かもしれません。
3月15日、旧暦だと2月15日になりますが、
「涅槃会(ねはんえ」と呼ばれる日。
旧暦をとるか、新暦をとるかはお寺によりけりですが、
お釈迦さまがお亡くなりになった日なんですね。
伝承では、お釈迦さま80歳の時。
旅先で食べたキノコ料理に食当たりを起こし、
そのまま体調を崩し、危篤状態になりました。
「これは寿命なんだから、気にすることじゃないよ」
そう、料理人に気を遣い、
弟子たちにこの最期の言葉を告げます。
画像は港区郷土資料館にある
「涅槃図」だそうですが、
周りを見れば、
顔がたくさんある奴とか、鬼のような奴とか、
異星人みたいな奴とか、
象とか水牛とかライオンみたいなのとか
獣たちも集合して、嘆き悲しんでいます。
いろんな種族から愛されたんだな……と、
その交遊関係の広さを伺えますが、
最後がローソクがすーっと消えるように
息を引き取ったとか。
それが「涅槃=ニルヴァーナ」という言葉の
本来の意味だそうです。
いずれにしろ死を覚悟したお釈迦さまが、
最も心配したのは、弟子たちのことでした。
これから自分がいなくなったあと、
みんなちゃんとやっていけるだろうか?
できるはず。
すでに教えることは教えたし、
たくさんの教本も残している。
これからそれを師として教えを実行しなさい。
決して止まってはいけないよ……と。
師匠として「最期のお節介」みたいな感じですが、
それだけ伝えたところで、
さぞ満足だったでしょうね。
だいたい釈迦の涅槃像というのは、
寝転がってテレビを見ているかのように
楽しそうにくつろいだ姿をしています。
最後までやるべきことをやったから、
この飾らない最期と、最後の言葉。
人生の理想かもしれませんね。