危険でも行きたい気持ちはよくわかる……

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23日の未明になりますが、
大西洋の深海に沈んだ
「タイタニック号」の見学ツアーで
行方不明になっていた探索船。

その一部が発見され、
全員の死亡を運営会社が発表しました。

沈んでいるタイタニック号から
わずか500メートルの距離。
それでも深海中で見つけるのは
困難だったのでしょうね。

なんで大金を払って、
そんな危険なツアーに参加するのか?
批判する声もありますが、
見たい気持ちはなんとなくわかる。

沈没してから111年ですが、
タイタニック号の最後は何度も
映画などで絵が描かれました。

この巨大な船で一体、何があったのだろう?
今、船はどうなっているのだろう……?
沈んでからもタイタニック号の謎は、
オカルトから陰謀まで、さまざまな形で
噂されていたわけです。

そんななか、チャンスを見つけたのは、
アメリカの海洋学者、ロバート・バラード教授。
60年代に事故で沈没した
原子力潜水艦の調査を依頼された際、
交換条件で12日間だけ、
近くに沈没していると見られる
タイタニック号の探索を許可されました。

そして発見したのは1985年のこと。

その後、レオナルド・ディカプリオさんが主演した、
1997年の映画が撮影された際、
本格的な撮影調査も行なわれたんですね。

私が子供の頃、
「タイタニック号を引き上げる」という
壮大な映画がありました。
ただ、現実には
100年間沈んだままのタイタニック号です。
現代の技術では、
引き上げた途端に崩れてしまうとのこと。
海の底で朽ちるに任せるしかないようです。

そうなると、これを一目見ようと思ったら
海に潜るしかない。
好奇心に対する犠牲は大きかったのですが、
その気持ちを否定したら、
やはり人間の進歩は止まってしまう。
やるならやるで、もっと安全にこれができるよう、
改良に期待するしかありませんね。

映画『タイタニック』より前に、
その沈没を描いた『失われた航海』という
映画がありました。

その映画で思い出すのは、沈んでいく船の中で、
せめて死にゆく乗客の心を癒そうと
最後の最後まで演奏を続けた
船内楽団の人々です。

今回のツアーメンバーの皆さまも最後まで
心穏やかであったように。
お悔やみを申し上げます。

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