江戸東京の「涼める場所」の工夫

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

画像の美しい池のある場所、
両国にある「旧安田庭園」という場所ですね。

すぐ近くには国技館もありますが、
反対側、ビルの合間にはスカイツリーも見えています。
過去と現在が融和している、美しい場所ですよね。

その名の通り、こちらは明治時代に、
安田財閥を築いた
「安田善次郎」さんの邸宅があった場所です。

そもそもは本庄松平家の下屋敷で、
岡山の池田氏邸宅となった後、
安田家が買い取ったもの。

今は墨田区が管理しているそうですが、
江戸の庭園にしては珍しく
無料で中に入れる場所でした。
その代わり夕方までの開門になりますね。

近くに来たついで、
「暑いだろうな」と覚悟して見学に来た場所。

ただ、意外に涼しく感じる……というのは、
池の周りには木々が取り囲むように配置され、
「日なた」というのがほとんどありません。

池の水も当初は隣にある「隅田川」の水を
引いていたそうですが、
「流れる水」に、「取り囲む木陰」と、
冷房のない時代にちゃんと涼しく休憩できるよう
工夫しているのでしょうね。

なるほど、最近の暑さで外に出るのは
かなり億劫ではありますが、
東京の庭園は意外に
涼む場所には適しているのかもしれない。
近くにあれば、寄ってみてもいいのでしょう。

この安田庭園の隣には、
「東京都慰霊堂」があります。

ここは関東大震災のとき、
およそ4万人の避難民が火災に巻き込まれた場所。
そんなところですから、
この庭園も本来は、1923年に焼失しています。

ですが、ちゃんとこうして
再び造り直されている。
それも東京が発展いく過程に、
「市民が涼む場所」は絶対に必要だという
判断があったのではないか……。

江戸時代の知恵はちゃんと、
現代の東京にも生きているのですね。

関連記事

ページ上部へ戻る