なぜ「通りゃんせ」の信号がなくなったのか?

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10月15日は、「国際白杖の日」という
世界的なキャンペーン日だったそうです。

「白杖」の意味、わかっているでしょうか?

視覚障害者が持っている杖。
でも、実は必ずしも目が見えないわけではなく、
視力に難を抱える方も持っています。

それを持っていることで、
周りの人に認知してもらって事故を避ける。

でも、周りの人が認知していなければ、
杖を持つ意味がなくなってしまうわけです。
だから健常者が本当は
意味をちゃんと理解していないと、仕方がない。

でも、実際、私たちはどこでも、
そんなことを教えられた記憶がないですよね。
それでは世の中まずいのではないか……。

そういえば視覚障害者のために、
音が出る信号というのがあります。
ボタンを押すと、音楽が鳴ったり、
鳥の声が聞こえたりする。

そのボタンを、目の不自由な人が押すことはできない。
誰かが杖を持った人の存在に気づいて
「押してあげる」必要があります。

でも、世の中には
「杖を持っていることの意味」がわからない人や、
「音が出る意味がわからない」という人も
多くなっているわけです、
それではまったく障害者のための機能も
意味をなしませんよね。

この「障害者向け」の信号ですが、
その昔は「通りゃんせ」とかの音楽が鳴るものが
多かった気がします。

今は「ピヨピヨ」と、鳥の声が鳴るものが
8割から9割だそうなんですね。

どうしてかといえば、
「うるさい」という住民が多いからだとか。

でも、視覚が弱い方からすれば、
音楽がなっているほうが、
信号が変わってからどれくらいの時間が経っているかを
つかみやすい。
「ピヨピヨ」だけでは、
急に信号が赤に変わってしまうことも
多くなってしまうわけです。

そんなふうに健常者の都合を押し付けることは
正解なのだろうか……?

ときどき研修をしていますが、多くの人は
「視覚障害者が生きている世界」を知りません。
言われないとわからないことが、
たくさんある。

だから「気遣うこと」の前に、
「知ること」から始めないといけませんね。

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