「赤盤・青盤」の仕事術

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こちら11月10日に発売された、
「The Beatles/1967-1970」という
後期のヒット曲を集めた公式ベスト盤のアルバム。

最後の新曲として発表された
「Now And Then」が、
全英では54年ぶりにビルボード1位になった
……ということで話題になっていますが、
この曲も最後に収められています。

いままでのラスト曲だった
「The Long And Winding Road」のころ、
ポール・マッカートニーは28歳。

その次の曲として収録されている
「Now And Then」ではコーラスのみですが、
ポール81歳。

なのにしれっと違和感なく聞けるのは、
流石にすごいグループですよね。
今まで断片的しか聞けませんでしたが、
再アレンジされた「Now And Then」。
非常に美しい曲になっています。

でも、届いた「青盤」のCD。
中には楽曲を収めたカラーの冊子も入っていて、
久しぶりに「アルバムを買ったな」
という気持ちになりました。
昔はこれがレコードの大きさだったわけですからね。
「買うことの喜び」は、
今のダウンロードで聴くのとは
まったく別ものだった気がします。

実はビートルズ後期のベスト盤の「青盤」と、
前期の「赤盤」。
2010年にも復刻され、大ヒットしています。

というのも
「世界で最も有名なベスト盤アルバム」とされ、
アメリカでのセールスも3000枚を超える
大ヒット作ですが、
CDやストリーミングが当たり前になった時代には、
取り残される結果になりました。

そりゃそうですね。
「ビートルズの曲? あっYouTubeにあるね。
じゃあ聞いてみよ」なんて
普通は購入する必要なんてないわけです。
ヒット曲ならなおさらですね。

ところがそんな時代にもかかわらず、
2010年の復刻盤は大ヒットしました。
現在の盤も、新曲もありますから、
それを超えたヒットになるのではないか。
現在は逆に
「アルバムを所有しておきたい」という人が
増えているわけです。

それはもちろん、私のようなレコード世代、
CD世代の人が買っていることもあるでしょうが、
今は「どうせレコードもCDもかけられないなら」と、
あえてアナログのレコード版を買う若い人もいるとか。
どこかでデータに落としてもらうのでしょうね。

ただ、じつは後期のビートルズ、
ライブ活動もやめ、ほとんどの活動は、
たった数枚となったアルバム作成に集中しています。

アルバムというのは、だいたい1時間くらいの長さに、
必要な十数曲を皆で創りあげること。
後期に単発ヒットしている多くの曲は、
そんなクリエイティブに特化した
作品づくりの中から生まれているわけですね。

それに比べると、現在は1曲集中の時代、
コンテンツよりもパフォーマンスがなければ、
なかなか楽曲が売りにくい時代になっています。

ビートルズの時代に帰ることは難しいのでしょうが、
これが本当に多くの人が、
音楽に求めていることなのか……。
昔の名盤を手にすると、改めて感じてしまいますね。

まあ出版の業界も、他人事ではありません。

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