誰のための柿……?
- 2023/12/21
- できる人研究所
画像は「柿」ですが、
もう実は、真っ赤になって塾しきっていますね。
誰もその実をとる人はいなかったのでしょう。
実はほとんどそのままの状態で残っていますが、
よく見ると柿以外のものが、
ここにはたくさん写っています。
何かといえば、スズメ……ですね。
大量のスズメが実をつばんでいて、
近くを歩くと、うるさい、うるさい……(笑)
でも、近くいた子供は、
「スズメいっぱい!」なんて喜んでましたね。
ほとんど放置されている柿ですが、
「ああ、こんなふうに、ちゃんと最後は
鳥たちに役立つことができるだな」
なんて思ったのでが、よく考えると逆ですよね。
「果実」というのは、
そもそも人間向けに
自然がつくりだしたものではありません。
鳥たちが食べ、実と一緒に食された種が、
消化されずに糞として
空中のどこかで地面に排出される。
そこから新しい芽が出て……ということで、
木は繁殖していく。
つまりは鳥への報酬として、
果実は生まれているわけです。
そう考えると、スズメを含めた鳥は、
可愛らしい姿をしながら、そもそもは爬虫類と同じ、
恐竜から分岐して誕生した種族です。
その恐竜時代、巨大に繁殖していたのは、
シダのような実をつけない植物で、
ミカンやらリンゴやらの果実をつけるものは、
鳥類の誕生と繁殖に合わせて生まれたもの。
自然は人間ベースでできているわけでなく、
その前に地球を支配していた
「恐竜ベース」で出来上がっているんですね。
なんて壮大な話に展開しましたが、
すると柿って、本当は鳥たちとともにあった
植物なのか?
「だから渋いのかな」という気もするのですが、
日本に関していえば、答えは「ハズレ」。
中国には原生の「カキノキ」という植物がありますが、
遥か古代から、中国では人間が食べるよう、
この木を改良してきた。
我が国はこれを移植し、それが全国へ広まったんですね。
だからすべての柿は人間向けで、
スズメのためにあったわけではありません。
でも、そんなまがいものでも、
人がこれを放置すれば、
自然はちゃんと受け入れるんだな……と。
このスズメたちの楽園になった柿は、
地球の行く末を暗示しているのかもしれない。
人間の力を過信してはいけませんな。