『変な家』……考えさせる「これからの本の売り方」

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今年最初の「夏川が読んだ本」の紹介ですが、
すでに読んだ方や、
話を知っている方は多いかもしれません。

雨穴さんの、『変な家』という小説ですね、
(飛鳥新社)

すでに映画化が決まっているし、
漫画などにもなっています。
私はKindle版ではじめて
本の形になったものを読みました。

「本の形」と言いましたが、実はこの方の存在は、
私も結構前に知っていました。
友人から「面白い動画があるぞ!」と
教えてもらったんですね。

その動画、最初は20分くらいのものだったでしょうか。
仮面を被った不可思議な人物が語る、
謎めいた話……でしたが、
家の間取り図にある謎の空間に関して、
推理がだんだんと進み、
恐ろしい事件の可能性が明らかになっていくというもの。

これが話題になって、
同じような間取り図ミステリーだったり、
ネット上に残された絵の謎だったりと、
さまざまな動画がアップされ、人気になっていました。

かなりたくさん私も観た記憶がありましたが、
かなりギャグめいたものも、
結構あったのではなかったのか……?

そんなYouTube上の動画として人気になったものを、
今回は「小説化」したわけですね。

とはいえ、2時間の映画だって、
原作となる小説からは様々なディテールを削除します。
それが数十分で、しかも登場人物のあまり出てこない
雨穴さんの動画です。

「どのように小説化するんだろうか?」と
思っていました。

なるほど、いくつかの動画作品を組み合わせ、
さらに現場に行ったり、
登場人物をより多くしたり……と、
さすが小説はさまざまなエンターテイメント性を
加えているわけです。

この辺はさすが、雨穴さんという方の
才能なんでしょうね。
それなりに推理小説として
完成したものになっていました。
なかなか面白かったです。

にしても、本がなかなか売れないこの時代です。
まずネットで認知され、
それを書籍というコンテンツにつなげていくのは、
1つの可能性ですよね。

こういう可能性を見せられると、
私のようなライター職の人間であれば、
世の中にたくさん上がっている動画を
いくらでも「文章」というコンテンツに
落とし込めるわけです。

世の中に動画はたくさんあるのだから、
もっと有効活用してもらっていいのではないか?
……そんなふうにも思ってしまいますね。

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