賢者の言葉31 『すべての人をゆるします』

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2月5日は、
「長崎二十六聖人殉教の日」だそうです。

それは1596年のこと。
キリスト教を禁止した豊臣秀吉によって、
6人の外国人宣教師と、20人の日本人宣教師が
処刑された日なのだそうですね。

じつは長い世界史を通じ、
キリスト教の殉教者として「聖人」とされた人のうち、
69パーセントが日本人なのだとか。

その理由は豊臣から徳川の時代にかけて、
徹底したキリスト教徒の弾圧が行なわれているから。

西洋から見れば、意外にも日本は
「命をかけて信仰を守ろうとした国」と
されているんですね。
「無宗教」という感覚の私たちには、
ちょっと歯痒いかもしれない……。

この「二十六聖人」の中心人物として、
海外のキリスト教から尊敬されているのが、
パウロ三木さん、という人物です。

もともとは阿波の国で戦国武将の子として
生まれたそうですが、
父親の戦死をきっかけに、
戦のない平和な世を願うようになり、
キリスト教に入信します。

そして子供のころから外国人宣教師たちの元で学び、
キリスト教の説教士として
大勢の人々を当時の大坂で感化していったんですね。

しかし信長の時代から秀吉の時代になり、
キリスト教はだんだんと政権にとって
邪魔な存在となっていった。

そして宣教師のスターだったパウロさんも、
28歳にして長崎の地で
仲間たちと処刑されることになります。

その死は耳を削がれたうえ、
京都や大坂で市中を引き回し。
最後に長崎で十字架にかける……という
凄惨なものでしたが、
最後に残したのは、こんな言葉。

「私はれっきとした日本人であり、
私はキリスト教を信じたというだけで殺される。
でも、私は命をささげることをいとわないし、
キリストの教えに従い、処刑を命じた人と処刑にかかわった人、
すべての罪を許したい……」

この潔ぎよさも、彼が武士であった故でしょうか?

今は「聖人」として海外でも尊敬される日本人の1人
……ですが、他ならぬ日本人が、
その記憶を忘れてはいけませんね。

画像は長崎の「二十六聖人記念碑」です。

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