なぜ春の前に咲くのか? 「寒桜」の秘密

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こちら毎年、春の少し前に咲いている
お寺の境内にある「寒桜」。

まだ咲き始めという感じですが、
2月中には満開になるかもしれませんね。
その向こう側は国道1号線ですが、
一足先にここだけ春が来ています……。

ひと足早く咲く「寒桜」といえば、
静岡のほうで咲く「河津桜」が有名ですが、
調べるとたくさんの種類があるのですね。

大島桜はかなり古いものですが、
「修善寺桜」とか「アタミサクラ」など、
かなりピンポイントな地名もついています。

種類だけなら、ひょっとしたら
春に咲く桜よりも多いのではないだろうか……?

どうしてそんなに
「寒桜」の種類が多くなっているのかといえば、
要するに人間がたくさんの種類を
作り出したからです。

そもそも「寒桜」の起源は、
自然に咲くヤマザクラやソメイヨシノなどの
春に咲く桜と、
少し前の旧暦のお正月……つまり、今頃に咲く
「カンヒザクラ」を掛け合わせたもの。

このカンヒザクラも、よく見かけますよね。
「しだれ桜」で、ピンクが濃いもの。

沖縄で咲くことでも有名ですが、
もとは中国原産で、
万葉集のころから、日本に持ち込まれていたことが
知られているんだそうですね。

このカンヒザクラは、
春になる前に咲いている。
ひょっとして日本の桜との合いの子を作れば、
「早く咲く桜」ができるのではないか……?

こうして日本では古くから
ハイブリッド種の研究が進むことになったのですが、
その根底にあったのは
「桜をできる限り早く見たい」という
願望だったのではないか?

あるいは
「できるだけ長くお花見をしたい」という
願望か?

要するに早い時代から、
人間の強い願望によってテクノロジーは
進化してきたのだ……ということです。

ツールは違えど、古代も現代も、
人の根源は変わりませんね。

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