時間をかけていい、でも「降参」はしない

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「決して降参するな」

こちらはドイツの医学者、
ローベルト・コッホ先生の言葉。

私の著書『奮い立たせてくれる科学者の言葉90』
からの引用ですが、
3月24日は、彼が「結核菌」を
発見した日なんだそうですね。
1882年のことです。

結核は、いまだに世界で
150万人が犠牲になっている病。
だから「世界結核デー」にも制定されていますが、
コッホ自身、田舎の開業医から始めて、
「細菌」が伝染病を引き起こすことを
発見したのが33歳のときです。
(当時、ウィルスは、まだ確認されていませんでした)

それから治療薬として、
ツベルクリンを開発したのが15年後。
(現在は検査薬として使用)
その15年後にノーベル賞を受賞していますが、
いまだに世界では、大勢の人が亡くなっている。

だから「人類が降参しないためには、
長い長い奮闘が必要になるな」と感じ、
何よりも後継者の育成に
コッホ先生は力を注いだんですね。

腸チフスの発見者であるゲオルク・ガッキー、
血清療法のエミール・ベーリング、
化学療法のパウル・エーリヒ……などなど。
彼が育て上げたノーベル賞級の弟子は、
世界中に大勢いるのですが、
その1人が、夏には
1000円札の「顔」になります。

日本人の北里柴三郎さんですね。

画像は東京の北里大学病院の敷地内にある
「コッホ・北里神社」。

私は家が近いこともあり、
何かとこの病院にはお世話になっていますから、
お参りもたびたびします。
ついこの前は、母親も検査入院していました。

この小さな神社、
もともとはコッホ先生が亡くなったとき、
弟子だった柴三郎博士がわざわざ
髪の毛を送ってもらい、
それを御身体にしてお社にしたんですね。

当時は第一世界大戦下で、
コッホ博士のいたドイツは敵国。
だから顰蹙ものではあったのですが。
弟子としては何か、
恩義に報いたい一心だったのでしょう。

今は北里柴三郎先生も合祀され、
令和の時代にもこうして
神社として残っています。

そんなふうに長く意志が継がれていることこそ、
いちばんの功績ですね。

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