「女王蜂」の見事なリーダーシップ

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昨日、大谷翔平さんが出場する
ドジャーズvsダイヤモンドバックス戦を見ようと
テレビをつけたら大変なことになっていました。

ニュースでご覧になった方も多いでしょう。
「バックネットに裏に蜜蜂が群れをなしている」
ということで、試合が1時間以上、遅れたんですね。
アリゾナの球場ならではでしょうか。
「Bee Delay」
なんていう、不可思議な言葉が、
Xでもトレンドになっていました。

でも、さすがアメリカ。
駆除業者の方が「ヒーロー」になっていましたね。

これ、アリゾナの田舎ばかりの話ではありません。
数年前には恵比寿で大混乱が起こったこともありました。
「分蜂」というんだそうですが、
巣分かれした蜜蜂の群れが移動中に、
一時、皆で休憩をすることによって
起こる現象だそうです。

彼らの目的は新しい巣を探すことですから、
放っておけば、群れはどこかに去っていきます。
恵比寿のときはそんなふうに、
警察が警備をしながら、時間をやり過ごすことで
問題を解決していました。

この「分蜂」という現象、面白いことに、
育った「新しい女王蜂」が
若い群れを連れて出ていくのでなく、
「若い女王」に巣を任せ、
今までの女王蜂が古参の部下たちを率いて
新しい巣をつくりに出ていくんですね。

日本の会社で、そういうところがあるでしょうか?
部下の中から抜擢した人に会社を任せ、
社長は昔からの専務たちと、
「じゃあ俺は新しい会社をつくるから、バイバイ!」
なんて、出ていってしまう。

ものすごく気前のいい社長というか、
格好いいですよね。
年老いてなお、ゼロから事業を立ち上げるような
自信がないと難しいのではないか。

ただ、案外と昔の戦国大名は、
そんなことをしました。
徳川家康などは典型ですが、
つくりかけていた江戸城や江戸の町はとっとと
将軍職を譲った秀忠に任せ、
自分は駿河に隠居しながら、
この町の再生に尽くしたわけです。

とはいえ、新しく巣を立ち上げるのと、
すでに財力もあるリーダーが、
豪華に隠居するのは話が違います。
出ていく新女王は外敵と戦いながら、
周りに美味しい蜜を出す花がある場所に
新しい巣をつくって、
組織を再編しなければばらない。

そんな労力のかかる作業、若い女王蜂がやったほうが、
本当はいいのではないか?

そうではないのでしょう。
「進化の過程でそうなった」ということは、
結果的に「若いリーダーが出ていく蜜蜂」が淘汰されて、
現在のやり方になっている。

まあ虫の世界のことはよくわかりませんが、
知識があり、経験があり、
部下からより信頼されているリーダーのほうが、
ベンチャーシップにおいても結果を出す可能性が高い
……ということなのでしょう。

そんな蜂たちの合理的な判断に対し、
日本のリーダーたちは、果たしてどうだろう?
40代、50代、60代になる人間たちは、
少し意識を変えないといけないかもしれませんね。

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