「なでしこ」の哲学

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春の花がだいたい咲き終わり、
梅雨の紫陽花までは、
まだ時間がある……という今ですが、
公園に行くと、この花が満開になっていました。

小さな可愛らしい花……。
その名前は、撫でてあげたくなる
「可愛い子供」を表現したとも言われます。

ナデシコ……ですね。

じつは桜や椿などの花以上に、
平安時代から日本人に愛されていた花です。

「草の花はなでしこ……」とは『枕草子』ですが、
清少納言も、紫式部も、愛した花。
今でも「大和撫子」なんて、
日本人女性の象徴になっている花ですよね。

でも、その理由は、
単純に「可愛らしいから」ではありません。

このナデシコの別名は、
「常夏=トコナツ」。
「つねにある夏」というように、
1年を通じて、元気よく鮮やかに咲くことからの
ネーミングです。

考えてみれば「秋の七草」にもなっている
ナデシコの花。
暑かろうが、寒かろうが、周りの環境に関係なく、
私たちの期待に応え、
いつも明るい姿を見せてくれる。

そんな強さに憧れ、
この花は古くから日本人に愛されてきたわけです。
美しく、可愛い。
でも、その芯には、不屈の魂を秘めている
……ということなんですね。

まあ、その昔に比べれば、
打たれ強くなっている現代の日本人です。
新入社員に限らず、
50歳経営者でも、不運が続くと、
たまに泣き言を言ってしまう。
「仕事くれよー!」なんて(苦笑)

でも、同情を買おうとしたところで、
誰も認めてなんてくれない。

日本人が古代から愛してきたのは、
本当はすぐ散ってしまう花ではなく、
何があっても打たれ強く、
咲き続けている花だった……。

つまり、困難に立ち向かいながら、
どんなにマイナスな状況でも、
元気に輝いて明るい姿を見せているからこそ、
皆は可愛がってくれるわけです。

だからとにかく、苦しいことにも
まずは足掻いてみよう……と。
ナデシコの精神を、
私たちは思い出すべきなのでしょう。

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