ケーキよりも、葛餅よりも、久寿餅……
- 2024/6/7
- できる人研究所
我が家では、お誕生日にケーキでなく、
くず餅を食べる……。
なんていう習慣があるわけではありませんが、
今日はたまたま車を動かして
「川崎大師」まで行ってきたので、
門前町で買ってきました。
こちらの名物ですね。
画像は箱を開けたあとの、キレイな状態ですが、
ちゃんときな粉をふって
蜜をかければこんな感じ。
そりゃあ、美味しいに決まってます(笑)
川崎大使の名物である「くず餅。
じつは「葛餅」ではなく、「久寿餅」と書きます。
なぜ、そう書くかといえば、
「葛」を使用していないから……。
葛餅というのは、「くずきり」と同様、
「葛」という植物から作るのが本来ですが、
効率が悪いため、
今はほとんど使用されていないらしい。
小麦粉などを使用するのが、ほとんどなのだそうですね。
しかし、川崎の葛餅はそうでなく、
最初から小麦粉を使って、葛餅に似せたお菓子。
それは言われがあります。
江戸の天保のころ、
川崎大師の近くで農家をしていた久兵衛さんは、
嵐で蓄えていた小麦粉を、
水浸しにしてしまったそうです。
仕方なく、そのままこれを樽に入れておいた。
すると翌年は大飢饉が起こります。
食糧が不足するなか、
「そういえば、あの水浸しの小麦粉はどうだったか?」
と、樽を開けると、
底で発酵していた澱粉を見つけました。
これを蒸したら、
新食感の新しいお餅が出来上がります。
それを久兵衛さんは、川崎大師の隆盛上人に
試食してもらったとか。
「これは、なかなか旨いな!」ということで、
「久寿餅」という名前をもらいました。
で、これを売り出したのが、
川崎大師の門前にある「住吉」という
お店の創業物語。
現在まで「くず餅」は、
大人気の商品になっているのですが、
最初から「葛」は使用していないんですね。
いずれにしろ「久寿餅」は
大師様の加護も得た、縁起のいいお菓子。
飢饉による危機も救っています。
ぜひ、ここに来たら
お土産に買っていってくださいね。