郷土資料館の「江戸の本」展を見てきました

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先頭の画像は、
江戸時代、来年の大河ドラマの主人公である
蔦屋重三郎さんの版元が出版した
『昔々桃太郎発端話』
という黄表紙の本。

要するに「桃太郎」と「舌切り雀」をミックスさせた、
ナンセンスなパロディなのですが、
ちょっと社会風刺も入った
「洒落本」と言われるジャンル。

今の「漫画」に近いのでしょうが、
物語を書いたのは江戸を代表する作家である
山東京伝さん、という方。

そして絵を描いたのは、
なんと若き日の葛飾北斎ですから、
超豪華制作スタッフで作りあげた、
ギャグ本みたいなもの。

さすが庶民の鏡、
江戸時代のプロフェッショナルたちだな……と
思ってしまうのですが、
他にもこんなものが。

これ、有名な杉田玄白さん、
『解体新書』ですね。

これらが見られるのは、
現在『江戸の本』という企画展示を行なっています。
港区郷土資料館です。
写真も自由に撮っていい、ということなので、
今回は使用させていただきました。

主に資料館所蔵の江戸の本を集めた展示、
江戸時代にはたくさんの版元が存在し、
学術的なものに、教科書的なものに、
ハウツーに、ユーモア本に、ちょっとエッチな本に……と
多くの人が手に取っていた。

その賑わいは、こんな書店の風景も描かれていますが、


書店だけでなく、
「貸本屋」というビジネスも成立していて
貧しい庶民であっても、ちゃんと本を読むことが
日常的な習慣になっていたわけです。

そんな日本文化を失わせてはいけないと、
こうした展示を見ると心から思いますね。

港区郷土資料館は私が毎日のように、
その外観を見ている建物。
有形文化財である「旧公衆衛生院」を利用した
すごい施設になっています。

企画展自体は200円で、ちょっとプラスすれば、
常設展に加え、旧公衆衛生院の施設も見学できます。

興味ある方は、
ぜひ見てみるといいと思いますよ!

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