なぜ「黄色い新幹線」に夢があるのか?

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先日、これが引退する……ということで、
日本中に衝撃が走りました。
ドクターイエロー……ですね。

正しくは
「新幹線電気軌道総合試験車」というそうですが、
黄色く塗った整備用の新幹線。
これがJR東海では2025年に、
JR西日本では2027年をもって
使用しなくなるそうです。

とても残念なのは、
見ると「いいことがある」と言われ、
人気が非常にあったんですね。

私も甥っ子が小さかったとき、
新幹線の大ファンだったので、
どこかに見にいったことがあります。

そうでなくても恵比寿の事務所から、
線路を走っているのが見えたとき。
あるいは熱海の駅などで見かけたとき
なんだか非常にラッキーな気持ちになっていました。

このカラフルな色に、乗客を乗せず、
ただ試験運転のために、謎のルートを走っていく列車。
そのレア度が魅力的だったのでしょうね。

やっぱり「ごく稀に出会える」という
非日常の刺激は、
私たちにとっては魅力のある存在になるわけです。

珍しい蝶や鳥が飛んでいるのに遭遇したり、
その昔のスーパーカーが道を走っているのを見ると、
なんとなく幸せな気分になる……。
まあ、私だけかもしれませんが、
そんな「毎日見るものとは違う何か」を、
私たちはいつも、
心のどこかで求めているでしょう。

にしても、そもそもこの黄色い新幹線って、
JRには必要だったのだろうか?

Wikiを見ると、
「同じ条件で走行しながら
線路の歪み具合や架線の状態、信号の状況などを検測し、
新幹線の軌道や電気・信号設備の状態を確認する」
とあります。

なるほど、それなら通常の新幹線と
同じくらいの車両は必要になるだろう。
でも、普通の車両をスライドして使用すればいいし、
わざわざ派手な特別車両を
用意する必要はありませんね。

思うにJRは、「効率悪いな」と思いながら、
人気もあるから、お客さんを喜ばせるため、
この黄色い新幹線を
長く走らせていたのではないか。

いよいよ採算が合わないから、
ここで「辞めよう」という
選択をしたのかもしれませんね。

でも、「見ると幸せそうな気分になる列車」を演出するなら、
じつは通常の列車の中に、
「レア列車」を交えるアイデアはもともとあるわけです。
実際、地方にはそんな列車もありますね。

ドクターイエローはなくなるけど、
夢のある新幹線は、これから出続けるのではないか?
なんとなく私は、そんな気がしています。

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