それでも応援したい人……誰のための営業か?

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13年間、ちょくちょくとやってきては、
いろいろ世話をしてくれた
生命保険の営業担当の女性がいました。

突然、その方が「会社を辞める」ということになり、
挨拶にやってきてくださいました。
ちょっと残念ですよね……。

でも、一体どうして辞めてしまうのか?
てっきりスカウトされたとか、
ご結婚されるとか、そんなことかと思いました。

その逆で、残念ながら
会社から退職を勧告されたのだ……とのこと。
いや、笑って言うなよ……ですが(笑)

「えっ? あなたが解雇されるの?」
「そうなんですよ……笑」
「だって、たくさんのお客さんから、
信頼されているじゃん!」
「まあ、そこは自信あるんですけどね……」
「じゃあ、なぜ?」
「新規のお客さんを、あまり増やせなくて」

この人はコロナの頃からずっと、
既存のお客さんの相談ばかりに応えてきた。
それで新規顧客の開拓数で、
ノルマを果たせなかったと言うんですね。

でも、それで退社になるのって、
厳しすぎないか……?

私が保険に入ったのは、
新入社員として会社に入ったころ、
そのころは社屋に営業担当者が出入りしていて、
企業とほとんど癒着していたのか。
ほとんど上司によって強制的に加入されたんですね。

だから私は売上ノルマの1つに過ぎない。
営業担当者はあまり説明もしてくれないし、
完全に放ったらかし。

会社を辞めてからは定期的に
書類が送られてくるだけで、
「保険とかこれ、どうしようかな?」なんて、
ずっと思っていたんですね。

ところが20年くらいが過ぎ、
「この保険を見直しましょうよ」と
言ってくださったのが、今の担当者さん。
なんでもそのときは新人で、
学校の先生を辞めて保険営業になった……とのことでした。

それから何かと相談に乗ってくれるようになり、
車の事故に遭遇したときとか、
入院して手術をすることになったときなど、
本当に助かりました。

でも、そういう寄り添ってくれる営業よりも、
前者の会社と癒着した方のように、
お客さんに不満を持たれながらも
数を稼いでくれる人を
今の企業は求めるのですかね……?

まあ、出版業会同様、
売れなくて苦労している業界事情もあるのでしょう。
対面営業しないところが、
現在はむしろ成功している業界です。
人を削除し、スリムになろうという意図かもしれない。

でも、ずっとお客さんに寄り添おうとする
彼女の姿勢は、
必ずどこかの業界で生きるのではないか?

「これからどうするんですか?
まあ、今なら求職は多くあるのかもだけど……」
「でも、私はやっぱり営業の仕事がしたいんですよ。
誰かの役に立つことが何より嬉しいですから……」

ぜひ、いい会社に採用されてほしい。
そして彼女のような方が活躍する世の中に
なってほしいなと思います!

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