この日、世界は大きく形を変えた!?

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

7月14日というのは、
「パリ祭」の日だそうです。
オリンピックも控えているパリですが、
フランスでは盛大にお祭りが行なわれますね。

ただ、この「パリ祭」というのは、
日本でだけの言い方だとのこと。
正くはこの日、
フランスの「革命記念日」であり、
フランス革命の発端となった
「バスティーユ監獄襲撃事件」が起こった
少し血生臭い事件を記念している日なんですね。

ときは1789年、国王だった
ルイ16世の統治に不満を抱えていたパリの民衆は、
弾薬と捕らえられた政治犯の解放を求め、
バスティーユの監獄を襲撃。

といって実際は、7人の普通の犯罪者が
収監されていただけ……だったそうですが、
それから国王の軍勢を敵に回し、
大勢の民衆を巻き込んだ内戦が始まるんですね。

ご存知の通り、やがて国王は処刑され、
王妃のマリー・アントワネットさんも処刑され、
身内でも内紛によって大勢の犠牲者を出しながら、
革命はフランス全土を巻き込んでいきます。

やがて事態を解消しようとする周辺国を巻き込み、
フランス革命は世界大戦へと発展してきます。
このときフランス軍を指揮して登場したのが、
のちに皇帝になったナポレオンだったんですね。

この革命開始の日から、およそ40年ののち。
ドイツ(プロイセン)の軍人としてナポレオンの軍と戦い、
コテンパンにやられたクラウゼヴィッツは、
戦争論』の中で、
この革命が世界を大きく
「戦争の時代」へ変えたことを指摘しています。

というのも、
革命以前というのは、国家というのはあくまでも、
「統治する国王のもの」であり、
国民からすれば、権利闘争などは
勝手にやらせておけばよかった。

戦争が始まっても、
国王に帰属する騎士やら傭兵が戦うだけで、
原則、農民などは、ただ領主になった人物に、
年貢を納めればよかったわけです。

ただ、革命が起こり、
フランスでは「国民軍」という概念が起こり、
軍は全国民を代表する巨大な集団になります。

その軍を巻き込んだ戦争は、規模も覚悟も闘争心も、
かつてとは全く異なったものになる。
だからこそ軍をまとめる側には、
個々の戦闘を超えて対極を見る
「戦略」がこれまで以上に必要になるということで、
『戦争論』を書くことにしたんですね。

クラウゼヴィッツの心配通り、
近代国家の誕生とともに「戦争の規模」は大きくなり、
第一次。第二次の大戦に、現代の戦争にと、
世界を巻き込んだ戦争は次々と拡大していきます。

戦争に使われる武器も、戦車に戦闘機に、
核兵器、生物兵器、化学兵器と、
「できるだけ大勢の人間を殺傷できるものを」と
大量破壊ができるものに進化していくわけです。

むろん「国民のための国」ができたことは
歓迎されることですが、
歴史にはプラス面だけでなく、マイナスの面もある。
私たちはそれを学んでいかねばいきませんね。

関連記事

ページ上部へ戻る