扶桑と日本とハイビスカス

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梅雨が開けた本日、公園に行くと、
この花が見事に咲いていました。

真っ赤なヒラヒラした花びらの中央に
長い花柱。
沖縄やハワイを象徴する花ですね。
「ハイビスカス」です。

日本で「ハイビスカス」と呼びますが、
実は植物学的にハイビスカスといえば、
もっと広い全般的な種類の花を指すそうです。

では、この花が何かといえば、
本当は中国名からの言葉で
「仏桑花(ブッソウゲ)」と呼ぶのが
正しいそうです。
途端にイメージが変わってきますね。

仏桑花というとお釈迦さまに関連しそうですが、
じつは無関係。
本来は「扶桑花」と呼んでいました。

この「扶桑」とは、古代中国の伝承で、
東方の島に生えている伝説の木のこと。

紀元前に書かれたという『山海経』には、
海中にニョキッと生えている木で、
そこから太陽が昇ると記されています。

ただ中国で時代が経つと、
この「扶桑」という木は、
東方にある小さな島に生えており
そこには「扶桑国」という国もあると
信じられるようになりました。

で、中国の東にある小さな島に
栄えている国といえばどこ?

紛れもなく日本ですよね。
「扶桑」とはいつのまにか、
古代中国で日本を指す言葉になりました。
平安時代には日本人ですら
自国を「扶桑」と呼ぶことがあったそうです。

ところが一方で、南方から真っ赤でキレイな
ハイビスカスの花が伝来してきた。
中国では「これこそ伝説の扶桑の木に
咲く花ではないか?」と、
「扶桑花」と呼ばれるようになります。

でも、日本にハイビスカスの花なんて
咲きませんよね。

そこで「扶桑花」は、
いつのまにか「仏桑花」と呼ばれるようになり、
日本にも普及するようになりました。

「仏桑花」と呼ばれるようになったことで、
沖縄ではこの花を死者に供える花としたとか。
墓地にハイビスカスが咲くと、
来世で幸せになれるという伝承があるとのこと。

そんなふうに日本とは不思議な縁のある花、
これからの季節、様々な場所で出会えそうですね。

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