「自分のためでなく人のため」は、正しいのか?

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「医療の道を志すものは、
人のために生きるべきである。
自分の利益のために生きてはならない」

こちら幕末の医師であり、蘭学者、
緒方洪庵さんの言葉ですね。
天然痘のワクチン治療、つまり「種痘」を
日本で初めて実施した医師として知られています。

8月13日は、その緒方洪庵さんの
生まれた日(正確には新暦7月14日)。
今から214年前のことになります。

厳格な利他主義を貫いた洪庵さん、
「自分らしく生きよう」という現代の考え方からすれば、
相反するようにとらえられるでしょう。

でも、この哲学があったから、
洪庵さんは名医として世に出ることができた。

そもそも現代のコロナワクチンですら、
拒否する人も多い現代です。
江戸時代にこれを治療に使用するなど、
保守的な江戸人が素直に受け入れるわけもありません。

ただ、自身もかつて病に苦しみ、
多くの患者さんを失ってもきた洪庵さん。
無料でたくさんの人を治療しながら、
徐々に徐々に、その信用を高めていったわけです。

さらに安政5年にコレラが流行した際は、
ほぼ1週間で、
彼はその治療法を本にまとめたそうです。
これを100部刷って、
全国の医師に無料で送ったとか。

利益よりも、とにかく人助けが優先。
でも、結果的にはそれが彼の知名度をあげ、
全国から近代医療を学ぼうと
彼の元に多くの医師たちが集まってきたわけです。

福沢諭吉や橋本左内も、
彼に学んだ生徒の1人でした。

仕事がうまくいかなくなると、
どうしても私たち、
「自分が、自分が」で
他人の立場を考えなくなってしまう。

本当はうまくいかないときこそ、
原点に帰って、「他人に利益を与えること」を
最優先で考えるべきなのかもしれません。

人に利益を出させてあげる人が、
この世の中で多く用いられるように
ならないわけがない。
結果的にはそれが自身の成功につながるのは、
洪庵さんの名声が証明していますね。

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