小さな島の一部から始まった「世界の自由」

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日本ではおそらく
世界史の教科書にも出てこないかもしれませんが、
8月23日というのは、じつは
「奴隷貿易とその廃止を記念する国際デー」
なのだそうです。

その理由は、大航海時代に
アメリカへ連れてこられた奴隷たちが
初めて奮起して、自分達の国を作った日。

近代史の中で、初めて黒人たちによる
共和国が誕生した国なんですね。

その国がどこかといえば、
「ハイチ」です。

ドミニカ共和国の東で、
イスパニョーラ島の3/8という小さな国ですが、
当時はフランス領で、
「サン・ドマング」と呼ばれていました。

本国から離れた島の小さな植民地ということで、
当時、ハイチの人々は、
かなりひどい環境下での労働を強いられたようです。
基本は砂糖などの栽培ですが、
人間扱いされない統制に、
たびたび暴動も起こっていたとのこと。

ただ大きな力にはならなかった……

そんな彼らに大きな影響を与えたのが、
皮肉にも1789年に本国で起こった
「フランス革命」だったそうなんです。

フランスの本国では、身分の低いものが団結し、
王様や貴族を倒してしまったという。
なのにどうしてここでは、
依然として旧勢力が威張り散らしているんだろう……。

そんな不満から、やがて島中の奴隷たちが団結。
自分たちも自分たちで政府をつくろうと、
1791年に歴史上では
「ハイチ革命」と呼ばれる蜂起を開始しました。

そして島のフランス軍を打ち破り、
1804年には独立を宣言し、
大航海時代の犠牲になった黒人たちによる
初めての国家が誕生したんですね。
この動きは世界各国に伝播し、
やがて奴隷の解放運動につながることになります。

その国が現在、どうなっているか
……といえば、
残念ながらマフィア勢力が国を支配し、
世界の中でもかなり治安が悪く、
かなり貧困が深刻な国に
なってしまっているわけです。

一度は世界がお手本にした場所。
そういう場所こそ、皆の協力のもとに
早く再生してほしいものですね。

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