カマキリの世界の男女同権
- 2024/8/26
- できる人研究所
先日、買い物から帰ってきて家に入ろうとしたら、
「えっ、ドアが開けられない……!」
この虫が嫌いな人は、申し訳ありません。
でも、なんてところにいるんですかね。この子は。
ドアを開ける私の指を狙っているのか?
まあ、ともかくも近くを叩いたら、
脇の方に飛んで行きました。
体格ある人間様をあまりナメてもらっても困る(笑)
でも、いるんですね。東京のど真ん中でも。
しかも私の家は森の中にあるわけでもない。
周りにも些細な植え込みがあるくらいです。
それでもこの大きさまで、
ちゃんと育っているのが凄いですね。
たぶんオオカマキリでしょうが、
スマートな体型と若干の小柄さは、
オスのカマキリなのだろうか?
季節的には、これから秋にかけて繁殖の時期。
オスはメスのカマキリと交尾し、
めでたくメスに食べられる運命にあることが
よく知られています。
ところが、この「犠牲行為」が、
最近は「さほど頻繁にあることではない」ことが
研究でわかってきているそうです。
National Geographicによると、
2016年の研究で、オスがメスに食べられる確率は、
13〜28パーセントだとのこと。
それ以外はどうなるかといえば、
実は7割以上の確率で、オスが逃げているんですね。
ただ、オスの体の中にあるアミノ酸によって、
オスを食べたメスは、卵をより多く出産できるとのこと。
それだけにメスは本能的に
必死でオスを狙おうとするとのこと。
するとオスは判断に迫られるわけです。
愛する女性に黙って食べられ、たくさんの子孫を残して、
子孫の幸福を願うか?
いや、こんなところで死んでなるか。
生き延びて人生をエンジョイするか?
そんな葛藤をしているかどうかはわかりませんが、
最近の研究では、
逆にオスがメスを食べてしまうケースも存在するとか。
たいていカマキリの世界では、
メスの体のほうがオスよりも大きいのですが、
逆襲する奴も少なからずいるんですね。
さぞカマキリ界では、恥晒し扱いになっているのだろう。
人間の世界では、そういえば女性ボクシングで、
金メダルを取った女性選手が
男性遺伝子を持っている可能性で
ネットにおける差別を受ける騒動がありました。
科学的には、そのことでカマキリ以上に
同性との肉体差を持つことはなさそうですが、
彼らは彼らなりに、生存と本能をかけて、
あるいは個人の自由と社会の慣習の間において、
男女が対等の立場で張り合っているわけです。
なかなか面白いですね。