「新しい時代が来る」って、どんな感じだったのか?

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9月8日というのは、
「明治改元の日」なのだそうです。

新暦だと10月23日になりますが、
要するに武士の時代である「江戸時代」が終わり、
明治になった日……ということ。

それは1968年のことになりますが、
よって「明治元年」というのは、
2ヶ月とか3ヶ月の短い期間になっているわけです。
昭和や平成と同様ですね。

けれども、天皇が崩御されたわけではないのに、
どうしてそんな中途半端な時期だったのだろう?

実際、特に意味はないようです。
ただ、明治維新というのは、
江戸幕府vs明治政府の戦争が続いていた
慌ただしい時期でした。
実行できることを次々とやった結果、
そのタイミングになっただけ。

4月……江戸開城
7月……江戸が東京に
8月……明治天皇が即位
9月……元号が明治に
10月……東京遷都

そして世の中は天皇を頂点とする
中央集権の体制となり、
いままでの藩はなくなります。
その地を収めていたお殿様はいなくなるわけです。

それから9月だった「今」は
太陽暦が採用されて、10月になる。

士農工商の身分制度もなくなり、
やがて武士という身分もなくなるわけです。

慌ただしいですよね(笑)
一体、世の中の人は、
どういう気持ちでこの日を迎えたのだろう……?

一体何が起こるのかわからない。
でも、ワクワク感はありますよね。

そのワクワク感があったから、
新しい時代に合わせて、世の中の人は、
たくさん本を読んだわけです。

画像はすべて、私が現代語訳した本ですが、
「明治」に発刊されたもの。

スマイルズの『自助論』は、
中村正直さんの『西国立志編』という名で
福澤諭吉さんの『学問のすすめ』に並ぶ
ベストセラーになっていました。

一方で海外でも、
新渡戸稲造さんが『武士道』を出し、
岡倉天心さんが『茶の本』を出し……と、
「これからの国、日本」を
アピールしていたわけです。

つまり「これから変わる世の中」に対して、
皆がワクワクしていたから、
出版が活性化した。
そんなワクワク感が、今は足りないんだろうな
……と思いますよね。

何だか閉塞感ばかりがどんよりと
重くのしかかる今の時代。
「変化」はとても必要なのでしょう。

出版分野でできることは考えていかねばならない。
でも、これからのリーダーにも
多くのことをやはり期待してしまう。
そのためには中途半端な日だろうが、
「即実行」こそ、大切なのだと思います!

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