「あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、
国境を超えた」
こちら、俳優、真田広之さんの言葉ですね。
自身がプロデューサーとなり、製作を指揮し、
主演も務めた『SHOGUN 将軍』において、
アメリカの優れたテレビドラマ作品に贈られる
「エミー賞」に、日本人としてはじめて
作品や主演男優賞を含む、
18部門を受賞することになりました。
すごい快挙ですよね。
何より私たち、認識しなければいけないのは、
この方、現代における
新渡戸稲造さんの『武士道』を
実践するような偉業を成し遂げたということです。
そういえば、その昔、
ハリウッドでドラマ化されたリメイク前の
『SHOGUN』を子供の頃に観た気がします。
三船敏郎さんや、島田陽子さんが出ていたドラマで、
徳川家康と部下になったイギリス人、
三浦按針の交流を描いたもの。
面白かったのですが、残虐さとエッチさで、
やっぱり日本の時代劇とは違うな
……と思いましたよね。
まあ、サムライ、ハラキリ、ゲイシャ・オイラン
……みたいなノリですから。
どうも私たち日本人、
ハリウッドで描かれる「侍」を見ると、
その度に違和感を持ってしまいます。
私より少し世代が上の真田広之さん、
私も若い頃から、その演技を見てきましたが、
日本の時代劇にもずっと出ていた方。
だからこそ世界に
「正しい日本の時代劇」を伝えたいと、
ずっと思っていたんだそうですね。
(といって、彼がずっと出ていた
『影の軍団』などは、どっちかといえば
ハリウッド時代劇でしたが・苦笑。
大好きでしたけど)
それから真田さんは、2003年の
『ラストサムライ』で、ハリウッドに進出。
それからアメリカでの俳優としての地固めをしつつ、
裏方にも回りながら、
日本の時代劇の考え方を使える啓発活動を
ずっと続けてきたというんですね。
20年間ひたすら、両面からの努力をしてきたとのこと。
なかなかいないですよね。
成功してからも、そこまで信念を持って
進み続ける方は。
これは何となく、明治時代にアメリカで、
日本の武士文化の伝えてきた新渡戸稲造さんに
似ています。
それで時代は変わり、多様性が求められる時代。
ドラマもテレビでなく、
個々がタブレットやスマホで観るような時代になった。
そんな時代に、真田さんはディズニーに、
完全日本語、ハリウッドでの完全「日本風時代劇」を
実現させたわけです。
これが大成功したということですね。
強い情熱が、夢を実現させるんです。
私たちはもっと、
強い気持ちを持たなければいけません。