10月前のツクツクボウシ

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もうすぐ10月です。
いつのまにかすっかり涼しくなり、
「もう秋だな」と、
朝にウォーキングに出掛けたら、
いきなりセミの大合唱……でした(苦笑)

「まだ鳴いているかよ!」と思いきやですが、
聞くと鳴き声のほとんどは
「ツクツクボーシ」です。

夏の終わりを告げるセミと言われ、
10月になっても、
まだ鳴いている個体がいるそうですね。
確かに鳴き声を聞くと、少し寂しくなる気はします。

実はこのツクツクボウシというセミ、
鳴き声によって
集団のコミュニケーションをとっていることが
最近の九州大学の研究でわかっているそうです。

よく聞くと、蝉の声
①ジー……というイントロ部分
②ツクツクボーシ……というメーン部分
③繰り返し部分をフェイドアウトしていくエンディング
そんなふうに、
メロディーが分かれています。

こうした旋律に呼応し、
他のオスが合いの手を入れたり、
コーラスをつけたりするわけですね。

でも、一般的にはセミが鳴くのは、
「オスがメスの気を引くため」ですが、
他のオスが協力して合唱することに
意味はあるのだろうか?

理由はまだよくわからないのですが、
ひょっとしたら彼は
ジャズやロックのセッションのような
ものすごくカッコいいことを
やっているのかもしれない。

それも他のセミが鳴いているときは
目立ちませんからね。
このセッションのために、彼らは粘って、
秋まで鳴くのかもしれない。

実はツクツクボウシと他のセミで
決定的な違いがあります。
それは寿命!

蝉の寿命は短いのでは……と思いきや、
幼虫の期間、土の中で長い年月を過ごすことは
知られていますね。
アブラゼミであれば、最長で7年。
ミンミンゼミであれば、最長で4年くらい
幼虫の期間を過ごします。

ところがツクツクボウシは、
今年に生んだ卵が1ヶ月ほどで孵り、
幼虫で生きるのは翌年の夏まで。
それから成虫の姿で鳴き始めます。

つまり、その人生はたった1年。
短き、儚いサイクルを繰り返しているわけです。
だからあの小さな体で、
パワフルに鳴けるのだろうか?

そんなことを知ると、少し応援したくなる彼ら。
残りの短いシーズンを
精一杯、満喫してほしいですね。

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