黄金の国の黄金の木

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10月も半ばをすぎ、
外に出ると、このオレンジ色の木が
目立つ季節になってきました。

金木犀(キンモクセイ)ですね。

非常に強い香りを持つ花。
どうも私はトイレの芳香剤とか
お風呂に入れる入浴剤を想像してしまうのですが、
場所によっては木の所在が確認できなくても、
匂いだけは漂ってきたりします。

桜などと違って、
そんなにたくさんあるわけではないと思いますが……。
不思議ですよね。

実は結構、謎の多い「金木犀」という植物。
桜と同様、やはり日本オリジナルなんだとか。

とはいえ、名前もなっている「犀」。
これは「サイ」であり、日本にいない動物です。

そもそも「木犀=旦桂」という中国の木があり、
木の表面がサイの皮膚に似ているから、
その名前がついている。
これが江戸時代に、
日本にやってきて広まったとされます。

ところが、この中国産の「木犀」は白い花で、
オレンジ色の「木犀」は、
もともと日本にあったタイプ

どういうわけか明治時代以降、
日本では中国から来た白いタイプでなく、
日本独特のオレンジタイプが、
街路樹として広がりました。
かの牧野富太郎先生が、
これを「金木犀」と名づけたとのことです

じつは中国には、
白い「旦桂」ではなく、金の「旦桂」についての
伝説があります。
それはこの時期を象徴する
お月様とも関わっているもの。

月には金の「旦桂=木犀」が生えていて、
呉剛という仙人が、
その木を切る任務を与えられている。

ところが木に斧を入れるとすぐ、
金の木犀はその圧倒的な生命力で
再生してしまうとのこと。
だから呉剛は、永遠に木を倒せずに
苦闘を繰り返しているということなんですね。
かなり悲惨な話ではあります。

この月の木は、日本の金木犀なのだろうか?
謎の多い植物ですが、
鑑賞できるのは短い期間だけ。
香りがしたら、本体を探してみてください。

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