「ドジャースの一員の1人として
代表してもらったと思っている。
それくらいみんなでつかみ取った」
改めて紹介する言葉、大谷翔平選手ですね。
2年連続となる、MVPの受賞。
何より今年は、常勝チームのドジャーズに移籍し、
1年目でチームを世界一に導いた実績を
評価されてのこと。
いままでのように
「エースのピッチャーであり、
ホームランバッターである」という
特殊性を評価されたものでなく、
純粋な「打者」として、
他の選手と比較した上でのこと。
本当に同時代に生きている私たちは、
幸せですよね。
今回、満票での受賞となりましたが、
批判する声もあります。
それは何より、メジャーリーグ選手に対する
「MVP=最優秀選手」への考え方があるから。
実はその発想は、大谷選手の言葉にも象徴されます。
何かというと、これは「WAR」という評価で。
打撃、走塁、守備、投球……などなど、
「選手の評価は総合的な指標で判断されるべき」
という考え方が、
メジャーの選手に対してはあるんですね。
だから今回、大谷選手が受賞するまで、
指名打者(DH)の選手が、
MVPに選ばれることはありませんでした。
ホームランを打つ選手は、おそらく大勢いただろう。
ヒットをたくさん打つ選手も。
ただ、「それだけをする専門家」では評価されない。
ちゃんと守備もこなし、
目立たないところでもチームに貢献し、
それで初めてメジャーリーグでは、
「最高の選手」とい
評価が与えられてきたわけです。
今回、大谷選手は、自身の言葉どおり、
「チームを優勝させた貢献度」を
大きく評価したものでしょう。
なんせホームランを打っただけでなく、
50以上の盗塁もありました。
それ以上に、ほとんど全試合に出場し、
完全にチーム内の
モチベーターになっていたわけです。
凄まじいばかりの活躍度でしたよね、本当。
翻って世の中には、
「1つの能力に特化したエキスパート」を
求める傾向があります。
「自分の得意」を伸ばしていこう……と。
でも、トップの人間に求められるのは、
やはり「あらゆること」を通して
チーム全員に貢献しようとする姿勢なんです。
ファンもそれを求めようとしているし、
大谷選手のようなトップも、そうなろうとしている。
だから来年の投手復活は楽しみですよね。
仕事をする私たちも、
そのことを決して忘れてはいけないでしょう。