P.E.N.の意味……まずは思いを文章にしてみることから

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11月26日は、「ペンの日」だったそうです。

なぜペンの日なのかといえば、
日本ペンクラブが誕生した日だとのこと。
1935年、初代の会長は島崎藤村さん。
現在は桐野夏生さんが務めていらっしゃいますね。

そもそもこの日本ペンクラブは、
「国際ペンクラブ」の日本支部であり、
日本は軍国主義に傾倒したこともあって
一時、脱退をしています。

これはとても重要で、そもそもは1921年、
発端は、第一次世界大戦が勃発し、
大勢の犠牲者を出したことが始まりでした。

「国の方針に逆らってまで
平和をうったえる著作者たちの活動を守るため」に
世界各国で文章を書いている人が団結しよう
……と、イギリスの女性作家、
キャサリン・エイミー・ドーソン・スコットさん
という方が呼びかけ、
「トゥモロー・クラブ」という若手作家の集まりが
作られた。

そこ趣旨にノーベル文学賞も受賞している
ジョン・ゴールズワージーなどの作家が賛同し、
「国際ペンクラブ」が作られたんですね。
1921年のことでした。

それ以来、文章の力が世の中を動かし、
世界を救ってきたか……といえば、
微妙なところがあります。

それどころか、現在は
世界で評価されている作家の意見よりも、
SNSの過激な書き込みが意図的に拡散し、
分断や対立を招いている始末です。

長く出版の世界で仕事をしてきた人間としては、
なんとかしなきゃと思いますね。

実は国際ペンクラブが掲げた
「PEN」という呼称は、
筆記用具としてのペンを表すだけではないとのこと。

P……Poet(詩人)、Playwright(劇作家)
E……Essayist(随筆家)、Editor(編集者)
N……Novelist(小説家)

と、文章の世界で活動する人たちの
頭文字を並べた言葉。

大作家さんたちだけでなく、
私のようなちょっとした文章の作家さんも、
あるいは裏方で働く編集の人間もまとめて
「みんなで世の中を変えていこう」という
大きな趣旨であったわけです。

つまりは、とにかく本を読み、
自分の頭で考え、きちんとした意見を
ちゃんと発信すること。

そして自分の書いた文章に
責任を持っていこう!……ということなんですね。

ぜひぜひ、みんながもっと
「ペン」を大切にする日がくればいいな、と。
ちなみに、私も文章教室を開催しているので、
よかったら見てみてください。
こちら

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