久しぶりにこちら、
地元の清正公(覚林寺)にあった
標語の文句です。
日蓮宗のお寺で、日蓮さんの言葉ですね。
「おのずからよこしまに降る雨はあらじ」
というもの。
「よこしま」とは、
「邪」と「横縞」をかけているのでしょうが、
いずれにしろ最初から横に降る雨なんてない。
風の影響で「横に降る」ことが起こるのですが、
「邪」になるのも同様のこと。
最初から悪人という人はいないのに、
どこかで悪い影響を受けてしまい、
ひねくれて横向きで降るようになってしまうわけです。
そんな言葉で思いつくのは、
最近、ますます過激になっているSNSの論調があります。
兵庫県の知事の話はまだまだバタバタしていますが、
県民の選択としては別に間違いではないだろう。
でも、ネットの主張に流されて、
悪戯に人を傷つけたりするのは問題ですよね。
最近はマスコミが信じられず、
一方でSNSを信じる人が増えているとか。
マスコミで仕事をしてきた私からすれば、
本などは下手すると
出版停止とか回収とか大損害になるので、
校閲などプロがしっかり事実確認する世界です。
これが流しっぱなしのネット投稿と同質に見られるのは、
かなり信頼性がヤバいことになっているんだなと
思わざるを得ない。
いち早く何とかしないといけないのでしょう。
でも、結局のところ
「どっちが正しいか」なんていう議論は、
証明もできないのですから、あまり意味はない。
それより日蓮さんの言うように、
そもそもの自分の感情に立ち返るのが
大事なのかなと思います。
たとえばAさんという人が、
Bさんという人に貶められている。
何があろうが、思惑だけで人を攻撃するのは、
「嫌なことだな」と思う。
そのAさんを守るため、
今度はBさんという人をやっつけようという
話になった。
いや、ちょっと待ってよ。
それじゃあ、最初にBさんがやったことと
変わらないじゃない……と。
それはやっぱり「嫌なこと」でしょ。
そんなふうに自分の感情に立ち返ることで、
案外と人は余計な争いを避け、
和解をしていくことができるのではないか。
事実を検証することは、
それと同時に淡々とやっていけばいいわけです。
「人の役に立とう」と始めたビジネスが、
いつのまにか経営を維持するため
社員に無理をさけ、
お客さんを騙すような形になっていたりと、
世の中にはそれで失墜する会社も多くあります。
初心の気持ちに立ち返ることは、
あらゆる仕事で大切ですね。