作家であり、江戸料理文化研究所の
車浮代さんの新刊です。
『江戸レシピ&短編小説 居酒屋蔦重』
というもの。
オレンジページから1430円で、
11月29日発売だそうです!
来年の大河ドラマの主人公となる
江戸時代の版元、つまり出版社を立ち上げ、
プロデューサーとして様々な作家や絵師を
世に売り出した蔦屋重三郎。
すでに車さんはドラマに先駆けて書いた
『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人』
という文庫が、大ヒットしています。
その前には江戸にタイムスリップした営業マンが
蔦重と出会う小説、
『蔦重の教え』も書かれています。
そんな車さんの蔦重関連の新刊!
……ですが、正直、
「こんな企画がありうるんだ!」という
なかなか驚かされるものです。
「蔦重酒場」とは、まさに蔦屋重三郎が、
絵師や作家を口説くために
食事と飲みに誘う居酒屋。
蔦屋重三郎:「歌さん、辛いのはわかるが
もう1年だ。そろそろ筆を取っちゃあくれねえか?」
喜多川歌麿:「私はもう描きませんよ。
詠み手もいないのに、誰が狂歌絵本なんて
買うものですか」
喜多川歌麿は、蔦重が世に売り出した
日本を代表する浮世絵画家。
他にも葛飾北斎であったり、東洲斎写楽であったり
曲亭馬琴、山東京伝、十返舎一九、恋川春町など、
彼の周囲にいた江戸の著名な作家や絵師たちを
蔦重は居酒屋に呼び出します。
そして編集者としての、
打ち合わせシーンが再現される!
そして交渉の切り札なのでしょう。
彼は相手の個性に合わせた料理を
居酒屋に注文してあげる。
ちゃんとそれにはレシピもあります。
さらにページの合間には、当然ながら
江戸の歴史や文化の解説や、
作家や絵師たちの個々の作品を紹介するページも。
そう、小説家であり、料理人であり、
また歴史の研究家でもある車さんだから、
実現できる、すごい企画になっているんですね。
読者は学びながら、料理にもチャレンジできる。
非常にお得な本です。
美味しそうだし(笑)
いろんな楽しみ方ができそうなムック。
ぜひ書店で見つけたら、手に取ってみてください!