よみがえってほしい「文明のゆりかご」

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シリアの独裁政権が倒れ、
アサド大統領が亡命したとのこと。
民衆に化学兵器を使うようなとんでもない政権でしたが、
平和的な国に移譲するのかどうか。
そうあってほしいですけどね。

実はこの大きなニュースの2日くらい前、
シリアでは別のニュースがあったのですが、
知っていたでしょうか?

それは「世界最古のアルファベット」が
見つかったというニュース。
革命や内戦が起こっている国の真っ最中で、
人類史を変えるような考古学的発見がある!
……というのは不思議ですが、
シリアとはそれくらい
世界最古の文明が交差した、
歴史的に重要な場所です。

そもそも首都のダマスカスが、
世界最古の都市の1つとされます。
起源は今から5000年前ころにまで遡ります。

どうしてここに都市ができるかといえば、
東にはメソポタミアがあり、
西にはエジプト。
その後でも西にギリシャ・ローマがあり、
東にペルシャという状況になります。

つまり古くから大きな文明が交差する
中間地帯だったんですね。
ダマスカスにはそのころから商人が集まり、
都市として大きくなっていきます。

外国人同士が交流をすると、
そこで使用される言葉も重要になってくる。
だからこの地では、
今のアラビア語の起源となる「アラム語」であったり、
アルファベット表記であったりと、
言語体系の開発が大きく発展したんですね。

ただ、多くの民族がこの場所で交わると、
対立も起こります。

だから歴史を見れば、たくさんの国によって
この地は支配されることになったわけです。
ヨーロッパが強いこともあれば、
アラブが強いこともある。
支配民族をあげていけばキリがありません。

そして29年前、
宗教的には少数派だったアサド政権が成立してから、
自由な交易都市だった歴史とは裏腹に、
ほとんど鎖国的な閉鎖状態を
ずっとこの国は続けてきたわけです。

だから内戦も続いたのですが、
それが終わってくれたら、
それほど嬉しいことはないかもです。

画像は最古の都市の1つ、
聖書にも登場する「エブラ」の町ですが、
平和になり、こうした遺産にも
気軽に行けるようになると、
考古学ファンとしては嬉しいですよね。

まあ現状は不安要素も多いのですが、
未来に期待しましょう。

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