「縁の下」を照らせる人になる

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「裏方で頑張っている人間が
表に出て表現される流れをつくらないといけない」

こちら今年の101回になる「箱根駅伝」で、
見事に8度目の総合優勝を成し遂げました
青山学院大学の原晋監督の言葉。

画像は青学の公式TVでYutuTubeに上がっていたもの。
今は皆さん、いろんな広報をしていますね。

この言葉は、最終走者がゴールした後で出たもの。
優勝を果たした際、監督や選手たちが
次々と胴上げされる栄誉に授ります。
その際、監督は自分の奥さんを呼んできたのですが、
やはり皆が彼女を胴上げしました。

なんでも監督の奥さんは寮母としてずっと
自分の生活を犠牲にしながら、
選手たちのケアをしていたそうです。
そうした
「裏方の努力にもちゃんと、光を照らしてあげよう」
という配慮なんですね。

そういえば今年は大河ドラマで、
取り上げられるのが、蔦屋重三郎です。

葛飾北斎や喜多川歌麿などの絵師、
あるいは曲亭馬琴や十返舎一九などの
江戸の作家たちを売り出した
「メディア仕掛け人」ですが、
その名はあまり有名ではなかったと思います。

それもそのはずで、出版プロデューサーとして
ずっと裏方に徹していたから。

吉原という人間の吹き溜まりのような場所で、
陽が当たってこなかった人間に
光を当て続けることで、
大成してきた方だったわけです。

私は「作家」という「自分が表に立つ仕事」と、
プロデューサーやライターというのは、
「縁の下で支える仕事」の
両方をやってきた人間です。

ところが、最近難しくなってきたのは、
もう「縁の下で支える仕事」をしている方々が、
堂々と自己主張し、
目立っていく時代になっています。

おそらくはそうしないと、
仕事をする上で生き残ってはいけない。
「縁の下」に光を当ててくれる人間なんて、
どこにもいない。
かえって埋もれるだけになってしまうから、
当然の選択なのでしょう。

よっぽど能力がある人や
個性の強い人であれば、それもいいのかもしれない。
ただ、大したモノでもない人間が、
一生懸命に自分を売ろうとしたって、
限界があることは、
それをやってきた私がよくわかっている(苦笑)

大きな仕事を実現することは、
なかなか難しいんです。

ならば原監督の言うように、
「縁の下」に光が当たるように。
それでも光が当たらないなら、
縁の下同士で結託して、陽が当たる場所が作れるように。

今年はそんな努力ができるようにしたいですね。

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