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グリーンランドってどんな場所?
- 2025/1/16
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画像は、最近、話題になっている場所。
地球の北の果てにある、世界で最も大きな島、
グリーンランドですね。
独立した国ではなく、自治領ではあるものの、
デンマーク領に属しています。
なぜ、ここが話題になっているかといえば、
ご存知のように次期大統領になるトランプさんが、
購入してアメリカの新しい州にするとか、
場合によっては併合も辞さないようなことを
言っているからです。
バカなことを言っているんじゃないよ!
……と、大勢の各国リーダーから批判されていますね。
実際、次期大統領には不安が一杯なんですが(苦笑)、
グリーンランドについては、
あながち荒唐無稽の話でもない。
というのも、グリーンランドの首相自体が、
「アメリカ人になるつもりはないが、
デンマーク人になるつもりはない」と言い、
アメリカとはより一層、仲良くやっていきたいと
述べているわけです。
日本にはデンマークやヨーロッパの声しか
伝わってきませんが、
実はグリーンランド人自体、そっちともあまり
仲良くはないんですね。
そもそも、なぜこの島がデンマーク領かといえば、
結局のところ軍事支配です。
18世紀の頃、デンマーク王国は、
今のノルウェーまでを含んだ北の強国でした。
そこで「ついで」という具合に、
この島まで勢力を伸ばしてしまったわけです。
住んでいるイヌイットなどの先住民も、
そう多くはなかったのでしょう。
ところがデンマークが現在は小さな国になり、
強い後ろ盾がなくなってしまった。
それで地球を上から見れば、
アメリカ大陸とロシア(ソ連)は向かい合っていて、
その間に北極とグリーンランドはあるわけです。
だからアメリカは軍事基地を置き、
この地域に干渉してきたのですが、
その過程でたびたび、
デンマークから買収する話も持ち上がってきたとのこと。
とくに現在はロシアだけでなく、
中国の進出も続いていますから、
地政学的に見れば、
小国デンマークが強国からこの国を守っているより、
アメリカの管轄下にあったほうが安全ではないか
……という考え方が出てきても、
おかしくはないわけです。
ただ、トランプ政権で怖いのは、
やはり「環境」への配慮ですよね。
グリーンランドには世界最大の氷河があり、
全世界の氷河が海水面に与える影響の
40パーセントに関わるとされています。
どっかの国がこの島を支配し、
資源開発やら都市化やらを進めて、
この氷河をあっさりと溶かしてしまうことで、
世界の都市が海に沈んでしまうこともありえるわけです。
そうなると現状、実は、
世界の大きな危機が迫っていることでもある。
本当は私たち皆が関心を持ち、
どこぞの国に任せるのではなく、
世界全体でこの島を守っていく発想が
大切なのかもしれませんね。
画像はデンマーク大使館の広報ページよりです!