『「嫌なことは忘れる」は
逃げ道だ。
心に刻みつけたほうが飛躍できる』
こちらは最近、
NHK大河ドラマの主人公である
蔦屋重三郎さんの本を多数書いている
車浮代さんの本。
『蔦屋重三郎50のメッセージ』
(飛鳥新社、本体1500円)
にあるメッセージの1つですね。
蔦屋重三郎は、江戸にあって差別されてきた
吉原の生まれ。
「嫌なこと」はたくさんあったわけですが、
それらと向き合い、
問題をなんとか解決しようとしたことから
ビジネスを成功させる機会を得ることができた。
目の前にある「嫌なこと」を
ずっと回避し続けても、
結局は何ら解決策にはならず、
かえって超えられない壁となって
自分自身に返ってくることは多いんですね。
本にはそのほか、自分を奮起させ、
仕事を成功させる蔦重の考え方が紹介されています。
どれも非常に役立つものになっています。
ちょうど現在は、
現代のメディアの担い手である大きなテレビ局が、
大スターの問題に始まるトラブルで、
クライアントさんから距離を置かれるような
大変な事態に陥っているとき。
この問題、実際のところ、
事実はほとんど明らかになっておらず、
誰が悪いとか、誰が正しいという話はわからない。
ただ、メディアの広告主が問題にしているのは、
報道機関であるにもかかわらず、
最初から事実をきちんと明らかにして
問題を解決しようとせず、
先送りにしたうえで、
いまだに逃げ続けようとしているように見える
……ということでしょうね。
確かに「嫌なこと」と向き合うのは、
誰だって嫌なんです。
でも、それが起こっているのであれば、
私たちは責任をもって対面し、
解決することに全力を傾けなければいけない。
そうでないと、
「問題を乗り越えて先に進む」ということが、
いつまでもできなくなってしまいますよね。
大きな会社を任されたり、大人気の人物になったり、
たくさんの収入を得たり……。
残念ながら、私もそれを
羨ましく思う人間の1人であり、
皆を立派であり、
「すごいな」と思うしかないのですが、
それだけに大きな責任を持っていることを
自覚しなければならない。
大変なこととは思いますが、
嫌な問題と向き合い、すべての膿を出して、
再生へ向けて動き出していただきたいものです。