「人の嫌がる仕事」に価値がある

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埼玉県の八潮市で起こった道路の陥没事故。
まだ懸命の救助作業をしていますが、
先が見えないようですね。

湧き出ている下水の水が、
まったく止まらないとのこと。
まさかこんなに
大変なことになるとは思いませんでした、

地下深くに埋まっている下水道が老朽化し、崩壊。
そこから土砂の流出が起こり、
上にある道路が陥没。
たまたま車で走っていたら、
見事にそこに落っこちた……。

こんなことが起こる確率って、
一体どれくらいなのだろうか?

天文学的なのではと思うのですが、
じつは「東京財団政策研究所」のデータを見ると、
年に下水道による道路の陥没事故は、
4000〜5000件も発生しているそうです。

すると道を歩いていて、いきなり下水道に落ちる確率は、
意外と高いのかもしれない。
他人事ではないですよね。

下水道に落ちる……。
汚いだろうし、臭いだろうし、暗いだろうし、
普通ならば、あまり想像したくないでしょう。

でも、それがあるから、
私たちは地上で快適な生活ができている。
その仕事には大勢の人が
携わっているのだと思いますが、
こんな機会があると、あらためて頭の下がる気がします。

なんでも日本には、
47万キロの下水道があるとのこと。
地球の周囲が4万キロということを考えれば、
とてつもない長さだとわかります。

その下水道のうち、2027年には、
6・3キロが耐用年数の50年を超えるとのこと。
今回のような事故を防ぐためには、
地球1周を超える下水道を修復しないといけません。

ただ、下水道の仕事をする人も、
この10年で半分くらいに減っているそうです。
そりゃ、きつい、汚い、危険……と、
3Kがパーフェクトに当てはまりそうですものね。
人気がないのはわかる気もします。

そういえば、震災でボランティアをしていたとき、
一緒に働いている人が、
下水道の仕事をされてました。

ヘドロのかきだしをしながら、
「大変ですねえ」なんて言ったら、
「まあ、僕は日常みたいなもんだから」と
笑っていましたが、
高齢だったので、もう引退したでしょうね。
どうしているのでしょうか?

そう考えると、デスクに座っているばかりの私も、
考えものだなという気になります。
安穏な仕事ばかりをしていて、
そりゃあ景気が悪いのも当然なのかもしれない……。

ともかくこの機会に、
「みんなが嫌がる仕事を引き受ける人」への
リスペクトを、しっかり確認したいですね。

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